今年の「伝説の新馬戦」の勝馬は? 衝撃のデビューを飾った注目の2歳馬たち
新馬戦が始まって1か月が経ちました。かつてはクラシックを担う主役級のデビューは10~12月あたりが多かったですが、近年は育成技術の発展に伴い、早い時期にデビューして賞金を稼ぎ、ゆとりあるローテーションでクラシックに挑むケースが増えました。
特に今年はすでに新馬戦の時計、ラップから来年のクラシック候補が続々と誕生しています。今回の記事では来年のクラシック路線を先取りすべく、現時点の注目2歳馬5頭をご紹介しましょう。
この世代最初の新馬戦となった6月1日の京都5R。例年、芝1600mで行われるため素質馬の出走も多く、レッドリヴェールやケイアイノーテックといった後のG1馬も誕生しています。
そして今年、世代一番星を飾ったのがダノンフェアレディでした。しかも、そのレース内容が強烈で、1枠から先手を奪うとスピードの違いで快調に飛ばし、直線では迫るショウナンザナドゥを半馬身振り切って勝利しました。
勝ちタイムはこの時期の2歳馬としては驚異の1分33秒8。なんと2歳戦の芝1600mで勝ちタイム1分33秒9以下かつレースの上がり2ハロン22.5秒以下だったレースの勝ち馬は過去に8頭。該当馬はG1 6勝のグランアレグリアを筆頭にサリオスや今年の牝馬クラシック勝ち馬ステレンボッシュ、チェルヴィニアといった名馬ばかりですから、ダノンフェアレディも牝馬クラシック路線の主役を担う存在と見て間違いないでしょう。
3回東京2日目の牝馬限定戦で行われる新馬戦と言えば、昨年ボンドガールやチェルヴィニアが出走して「伝説の新馬戦」と話題を集めました。今年も戦前から調教や血統から話題を集めた馬が多数出走し、戦前から伝説の新馬戦再び!?と思わせる顔ぶれ。
そんな注目の一戦を制したのがミリオンローズでした。1600mながら道中は12.9秒のラップが刻まれるなど非常に落ち着いた流れで、新馬戦らしい直線のトップスピード勝負に。上がり2ハロンは11.0秒、10.9秒の究極の瞬発力勝負となりました。
2歳戦の芝1600m以上の新馬戦で、レースの上がり2ハロンが21.9秒以下となったのは歴代でも51件しかありません。該当レースの勝ち馬にはリバティアイランドやワグネリアン、オルフェーヴルといったG1馬をはじめ19頭がその後に重賞を勝利しています。3頭に1頭以上の確率で重賞ウイナーが誕生しているだけに、非凡な瞬発力を見せたミリオンローズは今後も注目でしょう。
世代最初の新馬戦を勝利!/ダノンフェアレディ
伝説の新馬戦再び!?/ミリオンローズ
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
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