香港でもゆとり世代が社会問題に 「エアコン弱いから仕事辞めます」
80年代半ば以降生まれの、いわゆる「ゆとり教育世代」が社会人になり、職場で数々の問題を起こしていることは、近年、日本で問題となっている。
しかし、事情はほかの国でも同じようだ。香港の経済紙『經濟日報』によると、香港で「80后」(1980年以降に生まれ世代)の新入社員やインターン生が引き起こす問題が社会的に注目を浴びているという。そこには「上司の言うことを聞かない」「出社拒否を繰り返し、復帰初日に辞表提出」「チームの上司や同僚は残業するのに、自分だけ残業しない」などなど、日本と共通の問題を抱えているようだ。
同紙に掲載された経営者や採用担当者の声を紹介すると……。
「10時出勤、19時退社なのに『門限が18時半なので、無理です』と堂々と宣言した新入社員の女性がいた」
「インターンとして雇った実習生を上海支社に派遣したら、初日から『ホテルの部屋が汚い、会社のエアコンが弱すぎる、同僚が嫌な人間だ』と不満を言い、配置換えを要求してきた女子大生がいた。5つ星の高級ホテルでも用意しろってこと? この世代の人間は自分たちが『消費者』という認識が強く、不満があればすぐ辞めてしまう」
「ある上場企業の副社長が、就職を控える大学生を前に『いかに一生懸命、勉強して今の地位を築いたか』と説いたところ、ある学生が『俺たちが求めてるのはワーク・ライフ・バランス。なぜ努力して出世しないといけないのか、俺たちは企業の奴隷じゃない!』と叫んだ。聞いていたほかの学生から拍手喝采が沸き起こった」
「香港から上海のメディア関連会社にインターン生として送り込まれた女学生は、上司に『仕事のために国際電話を使用します』と告げ、オフィス内でたびたび電話をしていた。しかし、実は香港にいる彼氏に長時間、長距離電話をしていたことが判明。会社側は数万元(数十万円)にも及んだ電話代を大学側に要求した」
どうだろう? 香港も日本も状況はそっくりのようだ。
同紙は「香港は80年代以降、高度に成熟した消費社会になったため、生活環境が豊かになったせい」だとしている。また、こうした問題は世界各国で起こっていると指摘する。世界中で蔓延しつつあるゆとり社員の問題は、地球規模の“課題”といえるのかもしれない
文/バーナード・コン(本誌特約) 写真/
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