ニコニコは同人文化の何を変えたのか?【超会議2特番レポ】
―[超会議2特番同人]―
4月末に幕張メッセで開催される『ニコニコ超会議2』に向け、ニコニコ生放送で特番放送が行われている。2月4日と同時に併催される同人イベント主催者を迎え、各イベントの紹介とともに「同人とニコニコとこれから」をテーマにディスカッションが行われた。ちなみに、“同人イベント”は、個人が自費出版している二次創作やオリジナル作品を頒布するイベントのことを指している。
出演者は8人。MCは、ゲーム実況主で岐阜県民のドグマ風見、現役OL生放送主のねぎたんの2人。そしてニコニコ運営の伴龍一郎氏に加え、下記のイベント主催者5人だ。
鷲見英典(THE VOC@LOiD M@STER・ボーカロイド)
望月倫彦(文学フリマ・文学)
八田大次郎(ニコつく・「やってみた」カテゴリー)
北條孝宏(博麗神社例大祭・東方Project)
I氏(コミックマーケット・オール)
※敬称略(イベント名・ジャンル)
各同人イベントは、通常開催時とは違った超会議ならではの企画を用意しているという。
即売会ではなく、見本誌読書会やゲームの試遊コーナーなどを設け、東方の同人文化をより多くの人に体験してもらう予定だという『博麗神社例大祭(以下、例大祭)』主催者の北條氏は、「超会議の参加者のみなさんは、コミケとか(例大祭などの)即売会に来られている方は少ないんですよ。昨年の超会議に参加して身に染みてわかったので、そういう人たちを自分たちのイベントに引っ張れないか」と、期待を寄せている。
文学フリマの望月氏も「お声がけ頂いたこと自体びっくり。私たちのイベントは、他のイベントさんと比べてニコニコ界隈との接点ーーわかりやすく言ってしまうとオタク色が薄い。なので、意外でしたが、違うものを並べたいというコンセプトに惹かれました」と意欲をみせ、イベントでもニコニコ文化についての専門ジャンルを設置予定だという。
もともと、ニコ動のサービス開始以前から存在する『文学フリマ』(2002年~)や『コミックマーケット(以下、コミケ)』(1975年~)も、ニコ動による影響は大きい。
『THE VOC@LOiD M@STER(以下、ボーマス)』や『ニコつく』に至っては、ニコ動文化の中から生まれ、共に成長してきたとさえ言える。また、「踊ってみた」ブームなど、ニコ動によって広がりをみせた文化もある。
一体、同人文化は、ニコ動登場前後でどのように変化したのか?
◆ ニコ動登場で同人文化はいかに変わったのか?
I氏(コミケ)「あまり変わってないなと思うところもありますが、広がったんじゃないかなと思えます。デジタルの力を使った力は違うものがあって、紙から画面へ行った人も、画面から紙に移ってきた人もいる。アニメから漫画、漫画からアニメと同じ動き」
望月氏(文学フリマ)「ニコ動みたいな誰でも簡単に表現を発信できる環境ができたことで、発表する意欲を持っている人が、前にどんどん出てくるようになった。たとえば、ボカロ小説や、ボカロの批評など。文学は流行りのものに並走してついてく性質も持っているので、文学フリマ的にも表現したい人、読みたい人が増えたという意味では大きな影響があった」
八田氏(ニコつく)「表現方法も変わった。ニコ動は双方向のやり取りがあって、動画を出すとコメントがもらえる。それを見て『もっとこうつくってみよう』とか。同人イベントで『こういうの今度描いてください』というやり取りをしていたのが、ネットのなかで、同じ(ものを)好きな人が集まって、さらによいものができていく」
望月氏(文学フリマ)「10年くらいまでの同人界隈は、基本的にコミケがベースでコミケに始まりコミケに終わるというところがあった。けど、ニコ動ができてからは、コミケなんて行ったことないけど、同人即売会に行く人もすごく増えてきた」
⇒【後編】ニコニコが「同人」の「脱・同人」化を進める!?
https://nikkan-spa.jp/382057
<取材・文・撮影/林健太>
⇒【特集】昨年開催された『ニコニコ超会議』レポート
https://nikkan-spa.jp/202241
※痛Gふぇすた、超会議号、コスプレ、necomimiほか
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