最近、「恋愛~」という肩書きのヒトが多すぎだと思いません?
―[山田ゴメス]―
今年初めから、『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)という番組に、“クセ者相談員”として出演させてもらっているのだが、そこで、著名人のインタビューや恋愛などのコラムを多数執筆している同業者の美人ライター・芳麗さんと知り合うことができた。で、本番前の待ち時間に雑談を交わしていると……、「近ごろ、“恋愛ナントカ”って肩書きのヒトがすごく増えてません?」という話題で意気投合! てなわけで僕、ゴメス記者との対談の場を早速つくっていただいた!!
――多いですよね? 最近、「恋愛~」って肩書きの人が……。
芳麗:多いですね。「実際は何してんだろ?」ってくらい(笑)。
――ぶっちゃけどう思います? こういう風潮って?
芳麗:インターネットやSNSの影響が大きいんでしょうね。今、恋愛に限らず、いわゆるブロガー的な人って、いっぱいいるじゃないですか。“私生活をチラ見せ”というか、ファッションや恋愛話や、派手だったり破天荒だったりする毎日を小出しにしながら“自分”を発信する……。そして、その人たちというのは、だいたいが自撮りをした写真をブログやFacebookにアップしていて、それがなんとなくお洒落系だったりすると、あっという間にカリスマにもなれる。こういった、個人個人のどこかを売りにして、お手軽に“自分メディア”をつくり上げる行為が、もう当たり前に横行しているわけです。現に、どの女性誌を開いても“読者ブロガー”みたいな人が、ひしめいていますから。読者ブロガーでも、あと主婦ブロガーとか、趣味的に楽しんでやっている人はいいんですよ。多くの人、特に女性には『ステージにあがった私を見て!』という願望がありますし……。でも、実もないのにスタイル先行で、ビジネス的な戦略に結びつけて自己顕示している人たちは、正直、ちょっと安易だし、怖いなって思っちゃいます。
――僕も女性誌の仕事は、わりとやってますけど、あちこちのページで、格からジャンルまで、いろんな種類のブロガーが、自信たっぷりに偉そうなことを語ってますよね。ただ、ファッションでブロガーとして人気者やカリスマになるには、当たり前ですけど受け手側より圧倒的にお洒落じゃなきゃいけないわけだから、単純にお金もかかる。だって、いっぱい洋服持ってないとダメなんでしょ? 自分自身をマネキンに見立てるのなら、ある程度美人であることも絶対条件だろうし。“じゃあ、私生活のチラ見せで”とはいっても、人様に喜んでいただけるほど派手だったり破天荒だったりする毎日を送っている人なんて、そうザラにいないじゃないですか。となれば、“恋愛”が一番手っ取り早い。つまり、有象無象の、自称も含む「恋愛~」という肩書きの人が増えていく……。
芳麗:でも、正直言って私には、この人たちの精神がよく理解できないんです。たしかに、私にも目立ちたがり屋の一面はあると思うし、自分の主義主張を“書く行為”によってたくさんの人に発信したいから、ライターという仕事を続けているのでしょうけど……。執筆が仕事として成立する、対価が発生するという厳しさの中で、自分の書きたいことを書くほうが面白い。ブログはやっているけど、注目を浴びるためだけに、自分のプライベートを軽率な表現で暴露する気にはなれず、いつも何をどう書いていいものか……。ま、考えすぎかな(笑)?
――僕は一応、SNSではFacebookをやっているんですけど、そこでアップしているのは、毎日の日課である“喫茶店やカフェでデイリースポーツを読むデイリータイム”だけ。日替わりのデイリースポーツのトップ面と珈琲だけを並べた写真を淡々と掲載し続けています。Facebookというのは本来、自分が経験した“非日常的な出来事=トピックス”を“お友だち”に披露するツールじゃないですか。「今日は、こんな変わったことがありましたよー」みたいな感じで。でも僕は、そういうトピックスだけは意地でもアップしたくないんです。逆に、日常の習慣めいたものを延々と掲載することによって、「これ以上、僕のプライベートには入ってこないでくださいね」とブロックしているわけです。今どきのSNSに対するささやかなアンチテーゼ、と言えば聞こえはいいんですが(笑)。
芳麗:それ、面白いです! 私もそういうのならいいな。Facebookも、使いようによっては便利だったりしますしね。
――アンケート取りなんかでは、すごく重宝しますよね。プラス、自分のブログや日刊SPA!の記事ほかの宣伝ツールとして割り切っています。すみません、話がそれてしまいました。
芳麗:「恋愛~」という肩書きのインフレ状態についてですよね(笑)? 私も少し調べてみましたけど、ネットで検索しただけでも出てくる出てくる! 一番多かったのは、やはり「恋愛コラムニスト」。あと、「恋愛カウンセラー」に「恋愛エッセイスト」「恋愛ジャーナリスト」「恋愛アナリスト」「恋愛ガイド」「恋愛コンシェルジュ」……。
――これは絶対にないだろうと考えついたそれっぽい肩書きを、「恋愛」のキーワードにくっつけて検索してみても、確実に個人名が挙がってくる。
芳麗:「恋愛ソムリエ」なんて人も、きちんと実在していました(笑)。
――「社会派恋愛コラムニスト」って人もいる。まあ、その男は僕、古い知り合いで……。当時はウブで木訥な青年だったんですけど(笑)。
芳麗:“社会派な恋愛”って、どういう恋愛なんでしょうかね(笑)?
⇒【後編】はコチラhttps://nikkan-spa.jp/423224 【芳麗(よしれい)】 1972年生まれ。NHK山形放送局に勤務の後、フリーライターに。多種多様かつ奥深い人物へのインタビューを中心に、カルチャーコラム、恋愛・仕事・女性の生き方にまつわる記事を執筆。エッセイやコラムの連載も多数かかえている。これまでの総インタビューは2000本を超える。詳しい情報は、HP(http://www.yoshirei-fafa.com/)にて。日常をつづるブログ『Fower of Life』(http://yoshirei.blogspot.jp/)も好評! 【山田ゴメス】 1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。現在「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ系列)に“クセ者相談員”として出演。『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中!大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
『Love リノベーション』 30女は築30年の中古マンションのようなもの |
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ