更新日:2017年11月27日 23:24
カーライフ

「テレビが流す渋滞報道に注意」渋滞研究家が苦言

今年のお盆、高速道路の渋滞が少なかったのは、我々ユーザーにはうれしい限りだったのだが、お盆に高速道路が渋滞してくれないと困る人たちも……。高速道路が大渋滞して大変だというニュースをやりたくて、現実をまるで直視しようとしない大マスコミのみなさまに、渋滞研究家のはしくれとして、苦言申し上げます 渋滞報道MJブロンディ=文&写真 Text&Photographs by Shimizu Souichi ◆テレビが流す渋滞報道に注意!もう少し勉強して取材・報道せよ!!  今年のお盆渋滞は過去最少だった(執筆時点)。もう100km以上の渋滞といった狂乱は起きず、今後も少しずつ減少していくだろう。渋滞研究家としての私の役割も終わった。バンザーイ!  が、毎年、お盆やGWなど特定の時期になると、「今年の渋滞についてコメントをもらいたい」という依頼の電話やメールが入る。雑誌やラジオの仕事は、ありがたくお受けしている。問題はテレビだ。  テレビ局は、とてつもなくバカなのである!  この夏、電話してきたのはTBS。どこの誰ともわからん制作会社のAD(たぶん)が、一切の予習なしに、まったくの無知状態で電話を寄越すから、こっちは基礎の基礎から教えなくちゃならない。  専門家にインタビューするにあたって、予習をしないのはテレビ局のスタッフだけだ。しかもそれを一切恥じていない。とんでもないバカである。  加えて旅の恥はかき捨て。延々1時間も根掘り葉掘り講義をさせて、「今年の渋滞は過去最少でしょう」と予想したら、それじゃネタにならんということかボツ。二度と電話して来るな、バカ!  今後も渋滞は緩和されていくので、渋滞のニュースバリューはさらに低下し、いい加減そろそろお呼びがかからなくなりそうなものだ。ところが油断はできない。一切勉強しないテレビ局のことだ。またぞろアホディレクターが無知ADに「おい、なんか渋滞ネタ集めてこい」と指示するかもしれない。渋滞の専門家なんぞ、私を含め日本に数人しかいない。危険だ。  そこで今回は、テレビ局のバカスタッフがわざわざ電話してこなくても済むように、わかりやすく要点をまとめておきました。  せめてこれを読んでから電話してこい!  と言うより、渋滞の番組作るなら、ディレクターが一度くらい渋滞に突入してみたらどうか? 今の渋滞は意外に流れが良くて、大してつらくないことがすぐわかるから! 大マスコミが伝える「お盆渋滞でヘトヘト、ウンザリ」つーのは過去の話。実態を知らない連中が描く予定調和なのである。  あ、渋滞を避ける唯一の方法は、NEXCOが作っている「渋滞予報カレンダー」(的中率約8割)を見て、混まない日時に出発することだけなので、「何か裏ワザ、ないですか?」とも聞かないでください。 ⇒【後編】「お盆渋滞の基礎知識&お盆渋滞緩和の理由」に続く
https://nikkan-spa.jp/496616
― 高速道路渋滞の謎 早わかり【1】 ―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
高速道路の謎

事故渋滞の高速と下道速いのはどっち? さまざまな事象を多彩なデータと現地取材から解き明かす

おすすめ記事