更新日:2015年09月01日 17:09
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TPP参加を執拗に迫った米国 狙いは日本市場の進出にあり

「平成の開国」「世界に乗り遅れるな」。美辞麗句を並べ立てるTPP(=環太平洋戦略的経済連携協定)推進者はみな〝売国者〟か。参加に意欲的なのは「米国と日本の製造業だけ」とする政治経済学者の植草一秀氏が「売国者vs愛国者」の戦いを斬る ◆TPP交渉参加に賛否両論!執拗に迫った米国の狙いは日本市場の進出にあり! 「TPP参加」は10年のAPEC横浜首脳会議で、突然菅直人首相が大きく取り上げた問題だ。あまりに唐突だったため、TPPは「突飛なプラン」の略称などと揶揄された。 菅前首相はTPP交渉に日本が参加するかどうかについて、早急に結論を出すとしてきたが、震災発生などの影響もあり、結論提示が先送りされてきた。 しかし、野田首相は10月28日、TPPの交渉に参加する意向を固めた。11月12~13日に米国ハワイで開かれるAPEC総会の際に、関係国に交渉参加を伝達する方針だ。 TPPとは何か。簡単に言えば、多国間での自由貿易協定の一類型ということになるが、特徴としては、まず関税が原則として例外なく撤廃されること。さらに貿易だけでなく、サービスや政府調達、知的財産権、金融、人の移動など各国の国内経済制度全般に影響を及ぼすことが指摘されている。 TPPに参加すれば、製造業は輸出時に相手国の関税が撤廃される。有利な競争条件を得られるため、TPP参加を積極推進しているのが実情だ。 野田政権に代わってもTPP参加への積極姿勢は変わらず、メディアもTPP参加を促進する報道姿勢を鮮明にしてきた。   しかし、TPPが日本経済に与える影響は、極めて大きなものになると予想される。 ※【後編】につづく 「日本は国益を守るため、TPPを毅然と拒否するべきだ」 ⇒https://nikkan-spa.jp/81992 植草一秀【政治経済学者・植草一秀氏】 シンクタンク主席エコノミスト、大学教授などを経て、現在はスリーネーションズリサーチ㈱代表取締役。ブログ「植草一秀の『知られざる真実』」(http://uekusak.cocolog-nifty.com/)も人気。著書に『日本の独立』(飛鳥新社刊)
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