2016年、ロボットが家庭にやってくる! 飛躍的に向上する人工知能で頼れる相棒に
RoBoHoN、Palmi、MjiにKibiro……日進月歩で進化する人工知能を搭載した市販ロボットが続々リリースされている。知能を手に入れ、人類に一歩近づいたロボットは、家庭に浸透していきそうだ。
コンシューマ向けロボットが続々とリリースされている。これまでと違うのは、ロボットに搭載された人工知能の性能が飛躍的に向上している点。コミュニケーションできるようになったことだ。
そんなロボットの中でも注目度の高かったのが、シャープのRoBoHoN(ロボホン)。名前からも想像できるように、ロボットの形をしたスマートフォンだ。
「従来のロボットは、単に立ったり踊ったりするだけでした。でも、何らかの明確な役割を与えてあげたほうが、ユーザーも使いやすいはず。そこで今回は、電話という役割を与えました」
そう話すのは、ロボホンの企画を担当する景井美帆さん。確かにこれまでの家庭用ロボットは、二足歩行で歩く程度でユーザーにとって玩具の域を出ず、時間がたてば飽きてしまうものだった。だが携帯電話という役割を与えられたロボホンは、ユーザーが常に持ち歩くことで、まるで秘書や相棒のような存在になる。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1023652
電話や写真撮影、メール、スケジュール管理はもちろん、会話や写真での顔認識による踏み込んだコミュニケーションが可能なロボホンだが、さらに次の段階では、「家電製品を操作する」という役割が与えられるかもしれない。
例えばロボホンに、
「今日の晩ごはんは何がいい?」
と相談すると、冷蔵庫の中身のデータを取り出し、
「ひき肉と玉ねぎがあるから、ハンバーグなんてどう?」
と提案してくれる。あるいは、
「今夜の『ガキの使いやあらへんで』を録画しておいて」
と頼むと、
「OK! 23時25分からの日テレの番組だね」
と返答がある感じだ。ユーザーのスケジュールや位置情報に嗜好まで把握するようになるため、頼む前に、
「今夜は帰るのが遅くなりそうだから、録画しておこうか?」
なんて聞かれるかもしれない。
「シャープは、通信機器はもちろん、生活家電からテレビやレコーダーまで幅広い製品を扱っています。そうした製品とロボホンとのネットワーク化は、今後の重要課題です」(景井さん)
すでに同社の冷蔵庫やウォーターオーブン「ヘルシオ」はWi-Fiにつなげられ、会話ができるモデルも存在する。冷蔵庫に食材を登録しておくと、賞味期限が近づいている食材を教えてくれたり、そうした食材を使うオススメのレシピを表示してくれさえする。すでに、家電製品はロボット化されているのだ。
こうした家電とロボホンをつなげるのは、それほど難しいことではない。夢物語ではなく、すぐそこにある未来だ。
ロボホンの共同開発者であり、日本の人型ロボット開発の第一人者でもある高橋智隆氏は、次のように語っている。
「人工知能の技術研究は急速に発展し、人間が思い描くものに近い形で動くようになってきました。その人工知能にロボットの体を与えれば、現実世界で活躍するのではないかと考えています」
今後のロボットで核となるのは、コミュニケーション機能だろう。人工知能は使うほどに進化するもの。ロボットが実際に家に来て生活に溶け込み、会話する機会が増えていけば、人工知能が急速な進化を遂げる可能性がある。
世界中から注目されている人工知能の研究は、日進月歩で成長している。すでに、ユーザーの言葉遣いに沿った話し方をしたり、趣味嗜好や心の機微まで察してくれると謳う商品も出始めている。こうした人工知能が搭載され始めた今、頼れる相棒や友人として、我々はロボットを家庭に迎え入れることになるはずだ。
<続々リリースされる人工知能を搭載ロボット>
3G/LTEの電話機能のほか、カメラやプロジェクターを内蔵し、スマホとして使える。音声対話技術「こころエンジン」搭載。持ち歩き、話し掛けることでユーザーの嗜好を理解していく。全高約19.5㎝で重さは約390g。二足歩行できるモバイル型ロボットだ(シャープ/2016年前半発売予定 価格未定)
全高約40㎝で重量は約1.8㎏。頭や手足の可動部は22軸あり、体を自在に動かす。日常会話のほか、ニュースや天気、スケジュールを教えてくれ、ネット検索も可能。頭部にカメラを搭載し、写真も撮れる。ユーザーと話すほどに、会話能力を高めていくのが特徴だ(DMM.com/販売中 価格/29万8000円)
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会話/生活サポート/見守り機能を搭載。天気やスケジュールを読み上げ、日常会話にも対応。micro SIMカードを入れれば、Wi-Fi接続不要でインターネットにつなげられ、通話も可能に。全高21㎝で重量3㎏。タッチパネルモニターやカメラなどを内蔵している(Mji/2016年5月予定 予定価格/10万円前後)
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インターネット上の人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」とつながり、利用者の行動や好み、感覚や心の機微を学習。好きそうな商品やレストランを提示するなど、使うユーザーに合わせたロボットに成長していく。全高は28.5㎝で、重さは約800gの卓上ロボット(ユービック/発売時期未定 価格未定)
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<取材・文/河原塚英信>
“ロボット元年”の到来か!? 家電との連携で超絶便利に
- ロボットの形をしたスマートフォン RoBoHoN(ロボホン)
- 景井美帆さん シャープの通信システム事業本部マーケティング企画部に所属。ロボットクリエーターの高橋智隆氏とともに、ロボホンの開発を担当
ロボホンは、テレビや冷蔵庫と連携し始める!?
会話をする機会が増えれば人工知能は急速に進化する
常に持ち歩けるロボット型スマホ・RoBoHoN(ロボホン)
ビートたけしもメロメロになった友達感覚ロボット・Palmi(パルミー)
会話が楽しめる見守り型ロボット・Mji ロボット
心の機微を理解する“愛いやつ”系ロボ・Kibiro(キビロ)
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