給料が少なすぎて辞めていくアパレル販売員たち。手取り10万円以下の月も…
ファッション誌に登場するなど、華やかな印象が強い職業の「アパレル販売員」。そんな、女性の憧れの職業の実態は想像以上に苛酷だった。ツモリ・チサトやZUCCa、能年玲奈が愛用していることでも知られるNe-netなど、20代の女性から熱い支持を集めるブランドを数多く抱える総合アパレルブランド「エイ・ネット」の販売職・松坂ミキさん(仮名・33歳)は話す。
「好きなブランドで働けてうれしいのは、最初の半年くらいですね。店頭に立つ販売員は“接客する広告塔”だから、季節毎に新作を買わなければならないのがまず痛い出費。Tシャツなど単価の安い夏場ならまだしも、冬場は社割しても高い……。自社製品を買うためにカードローンを組んだことも一度や二度じゃありません。毎シーズンの新作を着なければいけないため、費用ねん出のために古い自社製品をフリマアプリで売ることも」
月々3~4万円が“ユニフォーム費”として差っ引かれ、松崎さんの月収は手取りが15万円程度。これを下回る月もあるとか。
「アパレル業界は繁忙期と閑散期は付き物。セール前は終電間際まで仕事できるのに、春・秋は暇で店に販売員1~2人で十分。残業代が付かないときには、手取り月収が10万円を切ったことも……。貯金なんて夢のまた夢ですよ」
昇進も少ないのがアパレル販売員の仕事。ブランド愛ゆえに10年近く働き続けてきた松崎さんは、ようやく副店長職に。しかし、労働環境はますます悪化した。
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