ネットで話題の「募金をせびる」疑惑の僧侶を追ってみた
週刊SPA!10/9発売号では、この後、彼らのアジトである部屋に記者が直撃! 果たしてそこに待ち受けていたものは……?
<取材・文/藤倉善郎とSPA!カルト問題取材班>
最近、首都圏のターミナル駅周辺の路上で、僧侶の恰好をしたアジア系外国人が募金を集める姿がツイッターなどで多数、報告され話題になっている。そこで、この僧侶(?)の正体を突き止めるべく、記者は最も目撃証言が多い秋葉原に出向いた。
平日の午後4時過ぎ、問題の僧侶はあっさりと発見できた。20代の若い男性だ。早速、あとをつけてみる。秋葉原電気街の中央通り沿いを行ったり来たりする僧侶は、すれ違う人々を時折、呼び止める。まず金色のカードを手渡し、ついで何か話しながらノートに記帳させている。記者は僧侶から解放された後の人々に次々と話を聞いた。
「寄付を要求されたので100円渡したら、ノートを見せられました。そこには前の人たちが数千円も寄付しているという記帳があって、1000円要求されましたが、断りました」(20代の男性)
「ははは。カネなんか渡すわけないじゃん」(30代の黒人男性)
「どこの国の僧侶かわからないけど、1人1000円寄付しました」(3人連れの白人家族)
どうやら、狙われているのは外国人旅行者と、若い日本人ばかり。 ここで、今度は記者自身がカネをせびられてみることにした。僧侶の前に回って歩いてみると、すぐに声をかけてきた。
「ハーイ、ブータン、ブータン」
そう言いながら、いきなり金色のカードを手渡してくる。「開光護身符」と中国語で書かれた御札だ。ブータンはチベット仏教の国なのに中国の御札とは? しょっぱなから怪しいではないか。
記者が御札を受け取ると、僧侶は小さなノートを取り出して「名前を書け」とゼスチャーをする。記者が名前を書いている最中、僧侶はページの右端を手のひらで覆って隠していた。
書き終えると、僧侶は「ドネイション、キフ、キフ」と言い出した。100円玉を渡そうとすると、隠していたノートの右端を見せてきた。そこには、これまで寄付してきた人が1万~3万円も出しているかのような記帳が!
僧侶がさらにページをめくると、日本語で「布施証明書」と書かれた説明文が。「三宝寺」という寺に地蔵菩薩堂と観音菩薩堂を建てるため、お布施を集めているという。証明書は英語版もあった。
「Where is this temple?(このお寺、どこにあるの?)」
「ジャパン、ジャパン」
「Japan? Which prefecture?(何県?)」
「タイワン、タイワン」
台湾はジャパンじゃない! うちの領土は尖閣諸島までだ。
「キフキフ、センエン、センエン、アリガトウ!」
記者は1000円札を一枚手渡すと、僧侶はニッコリ笑って握手をし、去っていった。
その後、気付かれないように尾行を続行する。すると上野公園近くで別の男性僧侶と合流。2人は公園を抜け、鶯谷駅を通り過ぎ、ひたすら歩く。途中、2人とも法衣を脱ぎ、持っていたカバンにしまいこむとTシャツ姿になった。
この後、コンビニに寄って日用品や食料を買った2人は、とあるボロいマンションに消えていった。
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