NHK大河ドラマ『花燃ゆ』のヤマ場はいったいどこなのか【コラムニスト・木村和久】

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その56 ―


 大河ドラマファンとしては「花燃ゆ」の女性視聴者重視、メルヘンチックな演出に戸惑いつつ、視聴率が気になって仕方ない。3話目には、えらくひ弱な久坂玄端を登場させ、おみくじを再び引かせる勇気を文は与えたって、こんな軟弱な演出、大河でアリですかね。けど視聴率は3話目から上向きになっており、4話目の吉田松陰の密航事件で、オヤジの心をわしづかみにしたと思う。これでひと安心だが、気を抜くとすぐ落ちますからね、ぜひ頑張ってもらいたいところだ。

NHK「花燃ゆ」公式ホームページ

NHK「花燃ゆ」公式ホームページより

 最近のNHKのドラマ作りは、いろいろ試行錯誤している部分があって意欲は買うが、外れも多い。朝の連ドラは「マッサン」を主人公に男臭くし、大河は女性を主人公にして女性層に支持されようと狙ったのは言うまでもない。

 女性が主人公といえば、2年前の「八重の桜」のコケぶりが思い出される。綾瀬はるかに鉄砲持たせるというのもね、江角マキ子にペンキ持たせた方が良かったんじゃないか。八重の桜の何が見てて辛いかって、負けるのが分かっている会津戦争を延々毎回流されても、こっちが辛い。しまいには戦争が終わる前に、大河ドラマを放棄してしまった。

 女性が主人公で、しかも歴史上の偉人の関係者の場合、輝くスターが死ぬと、話が急につまらなくなる。今回は吉田松陰の妹としての文がいるわけで、吉田松陰が亡くなってしまうと、存在価値が減る。文は久坂玄端の妻となるが、久坂も禁門の変の流れで自害する。若くして未亡人となった、文はまた第二の人生を送るが、そこらへんをドラマにして、果たして面白いのだろうか。

 となると花燃ゆで一番面白いのは、黒船来航から、禁門の変までではなかろうか。その今一番面白いとこで、視聴率が低迷してては、この先が思いやられる、そう言いたいのだ。

 ある作家が言ってたが「SFと歴史物語は作り方が一緒、文法や法則さえ守れば、あとは自由に創作していい」ということらしい。SFは科学的根拠、歴史ものは歴史的事実である。「村上海賊の娘」を書いた、和田竜氏は、創作するにあたって、村上海賊に本当に娘がいたか調べまくり、ある家系図に「女」と書かれたものを発見し、確かに娘がいたことを突き止めたそうだ。そこからは歴史文法に乗っ取り、自由に創作したという。

 大河は誰でも知っている歴史的事実をもとに描くから、大筋は変えられない。だからって、細かい演出をメルヘンにするのも、新たなファンを捕まえることができるとは思うが、オールドファンはどうか? 今後を注目したい。

木村和久

木村和久

 と、そんなことを思いながら電車に乗っていたら、花燃ゆのふるさと前橋って、でっかいポスターが目に飛び込んで来た。なんで前橋なのか? それは久坂が自害したあと、初代群馬県令となった、楫取康彦と再婚をするからなのだ。花燃ゆで、まさか前橋が盛り上がっているとは。多分群馬県は世界遺産、富岡製糸工場と抱き合わせで売りたいのだろう。

 というか、前橋編に辿りつけるのかが凄く心配だ。禁門の変が終わったら、見るとこがなさそうだもの。だいたいこのドラマのクライマックスがどこなのか、皆目見当がつかない。それが問題だよね。

■木村和久(きむらかずひさ)■
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦

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