クルマ業界の覇権争いのカギはトラックにあり!?

軽自動車から乗用車まで、最近のクルマには自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)が搭載され、新車購入時の大きなポイントの1つになっております。こうした自動ブレーキなどを含むプリクラッシュセーフティシステムは、世界各国で義務化が進んでおりますが、その先を見据えたクルマの開発は、ここまで進んでおりました 西村直人=文 Text by Nishimura Naoto
Daimler Trucks FT2025

<Daimler Trucks FT2025>FT2025は、多くのクルマが採用しているACC(追従型クルーズコントロール)のセンサーに加えて、車体四方をカメラで監視しつつ、さらにWi-Fiで自車周囲500mの交通状況を把握する

◆乗用車から大型トラックまで手放し運転できるクルマに乗ってみた! ⇒【前編】はコチラ  こうしたInspiration Truckの自律自動運転システムは、昨年7月にお披露目されたダイムラー社の大型トラックFT2025に搭載したシステムをモデファイしたもの。欧州で走る本家FT2025では、下の写真のように、自律自動運転中にドライバーが右を向いてリラックスした姿勢が取れるが、欧米では、自律自動運転に対する法律に違いがあるため、アメリカでは不可とされたのだ。 Daimler Trucks FT2025 ちなみに自律自動運転にはいくつか定義があり、F015はシステムがすべての運転操作を自律的に行えるため、レベル4を獲得。Inspiration TruckとFT2025は、自律自動運転にドライバーが必要なため1ランク下のレベル3となっている。  さて、こうした自律自動運転車両の未来だが、技術開発が進み10~20年後に一部が実用化されたとしても、世の中の主流は自律自動運転システムを搭載していない普通の自動車だろう。公道では歩行者とのコミュニケーションも必要なわけで。着実に技術は進歩しているものの、実用化への課題はまだ多い。 【結論】 自律自動運転でアツいのは、乗用車よりも大型トラックだ。世界各国の物流を支えているだけに、動くお金も桁違い。そんな自動運転に異業種参入が多いのは、次のクルマ業界の覇権争いが始まっている証しなのだ
おすすめ記事