リキシャからバスまで、バラエティに富んだインドの交通機関
ヨガ、カレー、ガンジー、お釈迦様、レインボーマン(笑)。インドで思い浮かぶものは、せいぜいこんなもんですが、同国は昨今、経済成長に対する期待が非常に高まっている注目株。しかし、高度経済成長期を知らない世代には、今のインドの状況がすんなりとイメージできないのも確か。そこで実際に行って、その勢いを実感してきました
西村直人=文・写真 Text&Photographs by Nishimura Naoto
◆ノーヘル上等!交通ルール無用。経済成長著しいインドの道路事情【後編】
⇒【前編】「車間距離は10cm以下! 恐るべしインドの交通事情」はコチラ
とはいえ、公共交通機関が発達していないわけではなく、リキシャ(足で漕ぐ3輪車)、オートリキシャ、タクシー、バス、電車とバリエーションは豊富だ。しかも、チェンナイ市内には新たに地下鉄の敷設工事も行われている。しかし電車は本数が少なく、おまけに道路インフラが完全に追いつかないため、路上を走るモビリティは完全なるオーバーフロー。そのため、慢性的な渋滞が日常茶飯事なのだ。
さて肝心の物流はどうか。昼夜を問わず、市内を行き交うトラックは、古き良き時代の“トラック野郎”を彷彿させるのだが、走っているトラックが古すぎる。インド最大の自動車メーカー・TATA製を筆頭に、40年近く同じスタイルで生産され続けているトラックが多いことがその理由だ。古いだけでなく燃費性能も悪く故障も頻発。物流業を営むオーナーの頭を悩ませている。
そこに目を付けたのが世界最大の商用車メーカー・ダイムラー社だ。
チェンナイ近郊のオラガダムには、ダイムラー社の子会社であるDICVの工場が建設されており、ダイムラー社5番目の商用車ブランド「バーラト・ベンツ」(バーラトはヒンディー語で“インド”の意)の車両が国内向けに生産・販売されている。
ちなみに、このDICVでは日本の三菱ふそうも、新ブランドとして「FUSO」という大型・中型トラックを生産することになった。
前編で述べたとおりインドへの集中投資が進めば、同国で生産したトラックが、インド国内だけでなくASEAN地域の経済発展にも大きな役割を果たすだろう。インドの力強さを感じさせられた。
【結論】
発展途上のインドで商用車はもちろん乗用車が日本のように走り回れるようになるには、まだまだ整備が必要なものが多い。行ってみると、確かに投資し甲斐のある場所だと実感!
― ノーヘル上等!交通ルール無用。経済成長著しいインドの道路事情【2】 ―
- 車両を製造するオラガダム工場。将来に渡る拡張を見越した建屋の設計が特徴的だ
- 組み立て工作機械はダイムラー社の基準を満たした最新設備で固められているが、人力も大切
- 新ブランド「FUSO」の大型トラックは3車種、中型トラックは2車種の合計5車種
- テストコースでは40フィートの海上コンテナを牽引する全長16.5mのセミトラクターに試乗した
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