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死生観とビジネスの類似性――連続投資小説「おかねのかみさま」

03:12 六本木フェロモンキングダム 「いやーたのしいね絵理奈ちゃん。もうすぐ死んじゃうと思うとお酒がおいしいよ僕ぁ」 「…」 「僕ね、産まれてからいままでほんっとに楽しく過ごしてきたから!なんかこう思い残すことがないっつーの?逆にすがすがしいんだ」 「でも、きっとだいじょぶよ。どうなるかわかんないよ。別にカミサマが間違ってるってわけじゃないけど、人生ってほんとになにがあるかわかんないことばっかりでしょ」 「そうですね」 「そう。人生は本当にわからないことばーっかり。だけどさ、わかんないからっていつまでも時間かけて迷ってるのと、もうすぐ死んじゃうと思いながら毎日一生懸命楽しむんだったら、どっちがいいとおもう?」 「あー…」 「ね、そうなんだよ。逆に自分が死んじゃう時期をわかってないヤツのほうが僕なんかよりもノンビリ生きちゃって、発泡酒とか飲んで、結局なんにもできないままスコンと死んじゃうことだってあるんだから」 「えぇ…」 「だからさ、遅かれ早かれ誰でも死んじゃうんだから、まいにちまいにち今を楽しめばいいんじゃないかって思ったのよ僕ぁ」 「そう…なら、いいんだけど…」 「だーーーいじょぶ!」 「杉ちゃん、彼女とかは?」 「あー…」 「いるんだ」 「いるね」 「彼女はそのこと知ってるの?」 「言ってないね」 「どうして?」 「だって!悲しむ時間が増えちゃうじゃん!」 「嘘」 「見抜くな」 「だってー、杉ちゃんがめんどくさいだけでしょ。でも言ってあげなよ」 「…」 「あのね、実際はどうなるかわからないとしても、そういうことを伝えてもらえると、大事に思ってくれてるんだーって気持ちになるのよ」 「そんなもんかい?」 「うん」 「じゃあ今言う」 「え」 「あのね。迷わないだけで人間って結構ラクになるの。俺、オンナゴコロってのは全くわからないけど、決断だけは早いから」 「でも、この時間もう寝てるんじゃないの?」 「だいじょぶ。最近銀座で働き始めたって言ってたから、たぶんどっかアフターでも行ってるんじゃないかな」 「え!!!!そうなの!!!!?なんかいろいろタイミングわるくない!?」 「いーんだよ。いーの。じゃ、LINEにしとこうか。えーとなんて書くか。んー。こんばんわっと」 「こんばんわなのね」 「夜だからね」 次号へつづく 【大川弘一(おおかわ・こういち)】 1970年、埼玉県生まれ。経営コンサルタント、ポーカープレイヤー。株式会社まぐまぐ創業者。慶応義塾大学商学部を中退後、酒販コンサルチェーンKLCで学び95年に独立。97年に株式会社まぐまぐを設立後、メールマガジンの配信事業を行う。99年に設立した子会社は日本最短記録(364日)で上場したが、その後10年間あらゆる地雷を踏んづける。 Twitterアカウント https://twitter.com/daiokawa 2011年創刊メルマガ《頻繁》 http://www.mag2.com/m/0001289496.html 「大井戸塾」 http://hilltop.academy/ 井戸実氏とともに運営している起業塾 〈イラスト/松原ひろみ〉
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逆境エブリデイ

総移動距離96,000キロメートル! 大川弘一がフルスピードで駆け抜けた400日間全記録





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