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タックス・ヘイブンを利用する企業はすべて悪徳なのか?

連載30【不安の正体――アベノミクスの是非を問う】

脱税、脱法行為がパナマ文書で明らかに?

 企業や富裕者の租税回避地(タックス・ヘイブン)との関わりを暴いたパナマ文書が巷を騒がせています。

 なぜ、このパナマ文書が大きな話題を呼んでいるのか。

 問題になっているのは、富裕者がタックス・ヘイブンと呼ばれる法人税率が極端に小さい租税回避地に、名ばかりのペーパーカンパニーを設立し、そこに資産を移動させ、本来納めるべき法人税を納めていないことです。その租税回避地に登録されている企業や個人名がパナマ文書によって流出してしまった。だから大騒ぎになっています。

 しかし、租税回避地に会社を設立すること自体を取り締まる法律はないため、この行為自体違法ではありません。だからといって、庶民がハイそうですかと納得できるわけもなく、富裕層の不公平な脱法行為に庶民の怒りが爆発。アイスランドの首相が辞任する騒ぎにも発展しています。

 でも、不思議なことに日本ではあまり騒がれていません。マスコミも突っ込んだ報道をしていないように見えます。なぜでしょうか?

タックス・ヘイブンを利用する企業はすべて悪徳なのか?【経済ブロガー・山本博一】日本で騒がれないのは当然

 理由は簡単です。日本ではタックス・ヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)という税制が機能しているからです。法人税率が20%を切る低課税国に子会社を設立する場合、その会社が得た利益は、株式の保有割合に応じて、日本にある本社(株主)に課税されることになっています。

 したがって日本の場合、租税回避地に子会社を設立しても、租税を回避することはできません。パナマ文書に記載のある企業数について中国(2万8000件)やアメリカ(6800件)に比べて日本(800件)と極端に少ないのはこの税制のためだと思われます。

 ネット上にはパナマ文書に名前がある企業は国賊企業だ!といった過激なコメントが飛び交っていますが、この税制上では、法人税率の低い国に子会社を設立するほど、日本への税金のリターンが大きくなるため、国賊などとはとんでもないです。もちろんその企業が正しく申告していれば話なのですが、それは国内の企業も同じことです。

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タックス・ヘイブンをなくそうという動きがありますが……

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