更新日:2017年11月16日 20:56
お金

死神bot、LINEで始動――連続投資小説「おかねのかみさま」

――六本木 「あ、返事きた」 「来たね。えーと。こんばんわからなんて言ったらいいかな」 「うーん。ほんとに言うの?こんな時間に言っても心配するしめんどくさいことになるんじゃない?」 「言うよ。言う。めんどくさいこと大好きだもん僕ぁ。えーと、『僕、今年いっぱいで死んじゃうみたいなんだけど、いままでありがとう』と」 「ナイワー」 「そう?」 ――勝どき 「あ、返事きた。え!?なにこれ!?」 「…」 「あー、たいへんねぇ」 「どうしよう…シニガミさんもうやめなよ…」 「……『どうしたの?ぐあいわるい?オカユつくりにいこうか?』」 「オカユ?」 「オカユ?」 「ダメ?」 「うん」 ――六本木 「来た」 「どれ?ブー!!!オカユ?????ないでしょ!何この子!!!」 「いや、これ、俺と綾ちゃんだけの間に通じることばなんだ。そうか。綾ちゃんすげぇなやっぱり。俺なんか足元にも及ばないくらいのデカイ人間だよ」 「どういうこと?」 「まぁ、それはいいじゃない。えーと『ありがとう。来週あたり会えるかな。あと、僕が死んじゃっても綾ちゃん悲しくない?』」 ――勝どき 「来た。あー重い。しかもオカユスルー…」 「ゴメン」 「まぁいいじゃない。ここはそのままガミちゃんに任せましょう」 「ハイ。『うん!たのしみにしてるね!あ、たのしみにしてるというのは死んじゃうことについてじゃなくって、会えること!死んじゃったらいやだけど、あなた今年中に死なないと思う!!!』」 「これって…」 「フー…」 「なぁに?」 「シニガミさん、綾の彼氏、ほんとにだいじょぶなの?」 「ウン。ゼンゼンシナナイ」 「そんなもんよねぇ…あたしも何回そんな時期があったか」 「よかった…」 ――六本木 「来た」 「ふむ。意外と落ち着いてるもんね」 「意外とね。人の死に慣れているかのような落ち着きがある。まぁそれだけ綾ちゃんは器がデカイってことか。じゃあ続けよう!ヘルプたち!!!かんぱーい!!!!」 嬢B-F「カンパーーーーーーーい!!!!!」 次号へつづく 【大川弘一(おおかわ・こういち)】 1970年、埼玉県生まれ。経営コンサルタント、ポーカープレイヤー。株式会社まぐまぐ創業者。慶応義塾大学商学部を中退後、酒販コンサルチェーンKLCで学び95年に独立。97年に株式会社まぐまぐを設立後、メールマガジンの配信事業を行う。99年に設立した子会社は日本最短記録(364日)で上場したが、その後10年間あらゆる地雷を踏んづける。 Twitterアカウント https://twitter.com/daiokawa 2011年創刊メルマガ《頻繁》 http://www.mag2.com/m/0001289496.html 「大井戸塾」 http://hilltop.academy/ 井戸実氏とともに運営している起業塾 〈イラスト/松原ひろみ〉
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逆境エブリデイ

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