エンタメ

春一番さん3周忌。アントニオ猪木のモノマネは春一番がオリジナルの芸だった

 “オイ”とか“お前”とか“春”とかいってくれたほうがずっと気がラクなのに、ホンモノのアントニオ猪木さんは春さんを“春さん”とさんづけで呼ぶ。「お願いですから呼び捨てにしてください」と何度頼んでも、猪木さんは春さんを“春さん”と呼んだ。  芸人歴30年、“猪木歴23年”の春さんは、猪木さんといっしょに仕事をさせてもらう機会がよくあった。猪木さんと同じ空気を吸えるだけでも光栄なのに、ホテルや移動の飛行機まで同じだったりするとやっぱり死ぬほど緊張した。  ある日、猪木さんは空港の喫茶店で朝食に大きなトーストを3枚も食べていた。春さんは、その様子を遠くからじっと観察していた。飛行機に乗ったら、猪木さんがおとなりのシートに座っていた。そんなところでおどおどする必要はないけれど、春さんは「ここ、いいですか」と猪木さんに確認してから恐る恐る席についた。  猪木さんは、飛行機が離陸するとすぐにフライトアテンデントに緑茶と弁当を頼んだ。春さんは「さっき、トーストを何枚も召し上がっていらっしゃいましたよね」と猪木さんに話しかけた。猪木さんは「こんな弁当、歯クソにもならねーですよ」といってワッハッハと笑った。春さんも控えめに笑った。  どんなことでもいいから、猪木さんとおしゃべりがしたい。「猪木さんの奥様はナオミさん(当時)ですよね」「ぼくも本名はナオキ(春花直樹)なんです」。これじゃあ、ちっとも会話にならない。  こんなこともあった。猪木さんが真剣な顔で手帳になにかを書いていた。春さんがその様子をながめていると、猪木さんは「パッとひらめいたときにね、こうしてメモしておくんですよ」といってほほ笑んだ。猪木さんも(芸人みたいに)ネタ帳を持って歩いているのだった。
次のページ 
『チョットお先に天国へ』をリリース
1
2
3
4
元気です!!!

奇蹟としか表現できない感動の物語。

Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事