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タイ移住した日本人の“貧困老人化”がヤバい。同胞を騙して金を無心する者まで…

 ちなみにAさんは厚生年金に加え、企業年金を受け取っており、いわばリタイア組の“勝ち組”。サービスアパートというホテルと同等のサービスを受けることができる住まいに暮らし、週に2回のゴルフと週1回の飲み会を欠かしていない。  当然、リタイア組でも年金受給額にはバラつきがある。懐事情はそれぞれで、Aさんたちの飲み会の予算は食べ&飲み放題800バーツ(約2400円)。タイではお酒の持ち込みが可能なレストランが多いため、その分で浮かせているという、なんとも切ない実情。そしてゴルフは平日のみに限定。週末と比べると、激安だからだ。ゴルフ代は1000バーツに加え交通費、食事代で、込み込み2000バーツといったところだろう。日本円にすると6000円強。Aさんのように週2回参加できる人もいれば、1回のみの人もいるという。  物価や家賃の高騰により、日本人居住区から離れた場所に引っ越しせざるをえない人も出てきている。人気エリアはスクンビット駅からアクセスもいいオンヌットやウドムスックといったところ。この辺りは、2万バーツ以内(約6万円)で十分にファシリティが揃うコンドミニアムを借りることができる。なかにはラップラオといったまず日本人はいないローカルエリアを選択する人もいるという。その辺りなら5000バーツ(約1万5000円)で住むことも可能だ。  節約の波は家賃だけにとどまらず、食事代にも及ぶ。食事は屋台なら、1食30~40バーツ(約90円~120円)ほど、お酒もコンビニのビールを買えば、40バーツほどで飲める。つまりは生活費を抑えようと思えば、かなり安く済ますことができる。しかし、Aさんは「そこまでしてタイにいたいのでしょうか。何が楽しいのかわかりません」と切ない実情を嘆いた。  生活に貧窮した老人が、バンコクから離れていくパターンも多いという。そんな貧困老人が次に目指すのはチェンマイ。バンコクと比べて物価や家賃も安く、街は落ち着き、老後に暮らすには最適だといえる。 トゥクトゥク しかし、Aさんは「チェンマイは危ないですよ。日本人が日本人を騙すパターンをよく聞きます。観光客だけではなく、我々のような在住者にとっても危険。彼らは日本人にターゲットを絞っていますので」と話す。ついに金に困った老人たちは、日本人を見つけると「お金を貸してくれないか。近々、日本から送金してもらえるから、金はすぐに返すので」といって金を無心してくるというのだ。お決まりの言葉は「日本人なら理解できるよね?」といった同情を誘いながら、口八丁手八丁で攻めてくるというからタチが悪い。かつてAさんはチェンマイのリタイア組とも交流していたが、「いつ金を無心されるかわからない」という理由から疎遠になったという。
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日本人社会は想像以上に狭い、噂が広まるのも一瞬
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