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ブラック化する非正規・公務員の実態――2年半で67回雇い主変更、自治体の「社保外し」の手法

「社保外し」は適法。国は口出しをできない

 臨時職員取扱要綱は全国一律ではなく各自治体が定めるが、そもそも「社会保険外し」を狙ったと思われる長崎県の要綱に国は口出しできないのか? 上林さんは「できない」と説明する。 「そこに違法性がある場合だけ国は口を出せます。自治体は、よく言えば独自に、悪く言えば勝手に要綱を作っているんです」  長崎県の事例は氷山の一角だ。NPO法人「官製ワーキングプア研究会」は昨年、「’15年非正規公務員ワークルール調査」を実施。その結果、臨時職員を社会保険に加入させていないのは、千葉県、船橋市、都の千代田区、中央区、墨田区、江東区、目黒区、世田谷区の8自治体だった。  有給休暇についても、東京都、熊本県、熊本市、大阪府門真市、都の中央区、台東区、目黒区の7自治体が付与していないことが明らかになった。有給休暇は、勤務が6か月を超えると取得できる。つまり、これら7自治体は6か月未満での任用を繰り返していると推測できる。これを変えるには、非正規職員が組合に入ることで自治体と団体交渉をするしかない。

急増する「非正規公務員」

⇒【グラフ】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1196862 急増する「非正規公務員」 正規職員と同じ仕事をしているのに、待遇だけが低い「非正規公務員」。こうした立場で働く人が急増している。全日本自治団体労働組合(自治労)の調査によると、全国の地方公務員のうち非正規公務員は’08年時点で、警察や消防、教員などを除くと、全体の27.6%を占める約60万人(推計)。4年後の’12年には33.1%を占め、約70万人へと急増している。なかには、全職員の60%以上が非正規職員で占められる自治体もあり(最高は’12年長野県小布施町の67.2%)、「ブラック自治体」は今、日本の隅々にまで広がっている。 ― ブラック化する[非正規公務員] ―
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