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年収300万円未満で暮らす「アラフォー単身者」の苦悩

 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。“ほぼ貧困”状態にある[年収300万円家族]のリアルに迫った――

貯金残高

正木 隆さん(仮名・42歳)は結婚式や葬式が重なって出費がかさみ、貯金残高は40万円台に。いよいよ危険水域に入ってきたため、仕送りの減額交渉を検討中

年収300万円未満で暮らす「単身者」の苦悩とは?


 養う家族がいないから気楽だと思われがちな単身者。だが、彼らの苦悩も尽きない。年収290万円で、零細広告代理店の営業として働く正木隆さん(仮名・42歳)は自身の過去を自嘲気味に振り返る。

「20代の頃、転職先の会社で事前に聞いていた職務内容と実態が全然違うということがあったんです。それで人事にクレームを入れたんですが、改善されなくて、抗議を続けました。そしたら、会社に『勤務態度に著しい問題』として『試用期間中の解雇』を言い渡されました。今にして思えば、徹底抗戦するべきだったんですが、当時は別に次を探せばいいくらいに考えてしまったんです

 しかし、その選択をきっかけに正木さんの人生は狂い始める。

「その出来事が職歴に大きく響き、以来、常に求人募集をするブラック臭が漂う小さな会社にしか採用されなくなりました」

 離職率が異様に高いろくでもない職場だけに正木さんも長続きせず、数年で職を転々とするように。年収もそのたびに下がり、とうとう300万円を切ることに。

「現在の会社は勤めて2年目ですが、月給は入社時から200円しか上がっていません。下がらないだけマシだと思うしかないです」

 まったく上がる見込みのない年収。そんな正木さんの懐をさらに苦しめるのが、母への仕送りだ。

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仕送りや養育費で実質一人じゃない負担が

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