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早大院卒36歳で年収96万円の絶望…独身・実家暮らし、奨学金500万円が返せない

 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。“ほぼ貧困”状態にあるアラフォー単身者のリアルに迫った――

早大

年収100万円未満、高学歴プアの絶望と諦観


 養う家族がいないから気楽だと思われがちな単身者。しかし、面倒を見る親や子供がいなくても、悩みが尽きない人もいる。現在、首都圏の某国公立大学の研究員として働くのが、大阪府在住の高橋守さん(仮名・36歳)だ。

「早稲田大学卒業後、研究者の道を目指して博士課程に進みました。でも、文系は研究職の需要が少なくて、勤め先がない。結局、大学の研究室に籍を置かせてもらい、名ばかりの研究員になりました」

 とはいえ、たまにリサーチなどの仕事がある程度で、研究員としての収入は年間十数万円ほど。それ以外の時間に治験や着ぐるみのバイトを入れて、生活費を捻出。昨年の年収は96万円だったという。

「これではとても生活できないので、数年前に大阪にある実家に戻りました。大学に用があるときだけ、格安の深夜バスで大阪から東京まで通っています

年収300万円未満で暮らす「アラフォー単身者」の苦悩

東京に宿泊する際にはもっぱら漫画喫茶を利用。節約が第一だが、最近ではいろいろな店舗を試すことがささやかな楽しみだという

 実家暮らしのため、通信費や交通費以外の支出は親頼みだ。

「ふがいないな……と思います。タクシー運転手の父親の収入と合わせてもせいぜい年300万円程度。研究で身を立てたいと思ってここまできましたが、最近は就職を考えるようになりました。でも、年齢的にもう難しいですよね

 そんな彼を追い詰めるのが、まったく返納できていない奨学金だ。

「学生時代に借りた奨学金が500万円近く。現在は、収入がないことを理由に返納を猶予してもらっています。いざ働き始めたら、奨学金の返済にも苦労するのは目に見えています……」

 自身の年齢に奨学金の返済、老いていく親。いずれも猶予はない。

― 年収300万円家族の苦悩 ―





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