“レッスルマニア11”の主役はだれだ?――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第185回(1995年編)
K・バンディはかつて“レッスルマニア2”のメインイベントでホーガンと金網マッチで対戦した大物ヒールだが、やはりブランクは大きかった。バンディのセコンドには“ミリオンダラー・マン”テッド・デビアスがつき、試合後半には“プロ格闘家”カマが乱入してきた。カマはUFC初期のスターだったキモのパロディで、その正体は怪奇派のパパ・シャンゴ、のちのゴッドファーザー(本名チャールズ・ライト)だった。
前半戦のハイライトは、第4試合にラインナップされたスモーキング・ガンズ(ビリー&バート・ガン)対ヨコヅナ&オーエン・ハートのWWE世界タッグ選手権。ヨコヅナ&オーエンのセコンドにはミスター・フジとジム・コーネットのふたりの悪党マネジャーがついた。これは王者チームのガンズがベビーフェースで、挑戦者チームのオーエン&ヨコヅナがヒールというレイアウトをきっちりと観客に伝えるためのひとつの“演出”だった。
この試合はヨコヅナ&オーエンがS・ガンズを下しWWE世界タッグを王座を獲得したが、ヒール・チームのヨコヅナとオーエンにブーイングらしいブーイングが浴びせられることはなかった。ホーガンが去ったあとのWWEの“ニュージェネレーション路線”では、なぜかヒールに観客の声援が集中し、ベビーフェースにブーイングが浴びせられるという逆転現象が起きていた。オーエンはどんなに悪役らしくふるまってもなぜか観客に応援されてしまうヒールだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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