更新日:2022年08月21日 12:32
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新宿、渋谷も低空飛行する「羽田空港新ルート」の危険性…事故、騒音、大気汚染も

新ルートは新宿、渋谷、港、品川、大田区の低空を飛行

 大田区議会議員の奈須りえ氏もこう警告する。 「成田空港付近での記録を見ると、滑走路から約14kmまでの地域で落下物が確認されています。これを羽田空港に当てはめてみると、品川区や港区はもちろん、渋谷区や新宿区でも、落下物が降ってくることになります」(奈須氏)  さらに横山氏は「騒音被害や大気汚染も避けられません」と言う。 「空港から半径5km内の大田区では、約80デシベルの騒音被害があるとみられています。これは窓を開けた地下鉄の車内と同じくらい。半径10km内の港区や品川区、目黒区では最大で74デシベル、半径15km内の新宿区や渋谷区でも70デシベルになります」 ⇒【資料】はコチラ(都心部の飛行高度イメージ)https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1277299 品川羽田空港新ルート そして万が一事故が起きれば、その被害は甚大なものとなる。 「エンジントラブルや火災、墜落など航空機の事故の8割が、離着陸時に集中して起きています。そのため離陸時の3分間と着陸時の8分間を合わせて“魔の11分”と航空業界では言われています。新飛行ルートではその11分間、都心上空を飛ぶことになります。  新宿区では地表から500m、品川区では約300mという低い空域を飛ぶのですが、これはドローンの上昇能力以下の高さです。もしドローンなどが航空機と接触し、エンジンなどを損傷したら重大事故になりかねません。国交省のヒアリングで、私たちはこの件も追及しましたが、『ドローンの飛行は法律で規制されているから大丈夫』と言うんですよ。いたずらやテロなど、誰かが法律を無視してドローンを飛ばしたらどうするのですか。  新飛行ルートでは離陸後、川崎市臨海部の石油コンビナートの上を通ることも検討されています。そんなところにもし飛行機が落ちたら……と思うとゾッとします」(同)  この新ルートは、米軍横田基地の空域の一部返還により実現するものだという。『週刊SPA!』1月24日発売号「徹底リポート 東京の空が危ない!」では、その危険性についてさまざまな角度から検証。そのほか、学校や病院、老人施設などが密集する横田基地へのオスプレイ配備など、新たな首都の“空の危機”をリポートした! 取材・文/志葉玲 写真・時事通信社
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週刊SPA!1/31号(1/24発売)

表紙の人/ 広瀬アリス

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