更新日:2022年08月28日 09:29
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AV女優イベントの控室で起こる“ギスギス感”の正体とは?【カリスマ男の娘・大島薫】

女性は「大勢のなかの一番」じゃダメ

 どことなく野心家といえば、男性のイメージがある。闘争本能とはいわば男性性の象徴のように語られることも多い。では、女性が抱く誰よりも上に立ちたいというこの想いは、野心とは別のものなのか? いや、これは男性の見た目のときに男社会で感じた野心とも方向性が違う気がする。  ボクはこの活動を始める前、営業会社にいたことがある。いわゆるブラック企業だ。目の前の数字を追いかけることを目的とする会社だけに、社員には野心家も多かった。誰よりも数字を上げてやる、営業成績で1番になってみせる。そんな同僚の野心を多く感じていた。思うに、男の野心とはこの「1番である」ということがポイントなのではないだろうか。  では、女性の野心とはなにか。それは嫉妬心と言い換えてもいい。その場にいる人間のなかで1番好かれていればいいのなら、「現場に自分以外の女性を入れるな」という発想には違和感がある。それよりも自分だけが評価の対象でいたい。つまり、女性の野心とは、オンリーワンでいたいということなのではないかと、ボクは考える。  昔付き合っている女性に「私のこと好き?」と聞かれて、「1番好きだよ」と答えたら「2番もいるの?」と訊かれたことがある。そのときはなぜそんなことを訊ねられるのかわからなかったが、いまそういう場面に触れてわかった。そう、女性は1番ではだめなのだ。 「君のことだけが好きだよ」  そうでなければいけない。トップに立ちたいと考えるのは、タテ社会に生きる男が陥りがちな思考ではないだろうか。同じ職種、ジャンルで競い合い、切磋琢磨する関係性は、こと恋愛において女性は求めていない。自分だけを必要としてもらいたいのだ。  ほんのわずかな言葉選びの差で、相手の受ける印象は大きく変わる。我々男性の常識は女性にとっての常識ではない。そういった微妙なニュアンスまでを含めて、女性と接せられたら、もう少しボクらの関係は上手くいくのかもしれない。 【大島薫】 作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』(マイウェイ出版)。大島薫オフィシャルブログ(http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/)。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru
1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター@OshimaKaoru
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