今、渋谷周辺で「謎のナンパ方法」が流行っている?
【3度目:山手線から井の頭線に向かう屋内通路にて/平日のPM15:00ごろ】
急ぎ足で歩いていると、ハタチ前後の大学生風の男が斜め前方から寄ってきて「八戸から出てきたばっかなんですけど、オネエサンみたいなカノジョが欲しくて…お茶だけでいいんで付き合ってもらえませんか?」と、声をかけられる。Tシャツにチノパン、髪型はスポーツ刈りよりやや長め……といった爽やかな出で立ち。しかも美白のそこそこイケメン……ではあったが、3度も同じパターンで攻めてこられたら、さすがに「コレって、なにかの組織的なマニュアルなの?」と疑わしくなり、シカト。ちなみに「はちのへ」の「のへ」にアクセントをつけていた以外は、ほぼ標準語だったという。
以上、妙齢のオネエサマは「私ら世代の女性の同情を煽るような、この手のナンパはとてもズルいと思うけど、3度目は3度目じゃなければ、あと、時間があったなら、もしかするとお茶くらいは付き合ってあげてたかもしれない…」と遠い目をする。
この3人が本当の出身地を語っていたかは怪しいモノだが、そして、オネエサマの言うとおり「組織的なナンパ(=キャッチ)マニュアル」である可能性も捨てきれないが、ポイントは3人ともが(自称)東北出身であること。「純朴を装うなら東北」ってことなのか? 「ズルい」とはいえ、「もう一歩」のところまで成功しかかっていたってことは……それなりの効力を見込める、それなりに優れた戦略だと認めざるを得ない。が、ここまで定番になりつつある……のだとすれば、せめて九州(福岡県は除く)・山陰・山陽・四国あたりも、これからは積極使用すべきなのではなかろうか。東北と比べ、方言を“真似る”のは少々難易度が高そうだが……?
現時点ではまだ彼らの因果関係がわかっていないが、今後も調査を続行したい。
【山田ゴメス】
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」https://nikkan-spa.jp/gomesu(PC版)も配信中。著書『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)
<取材・文/山田ゴメス>大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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