更新日:2022年10月20日 23:14
スポーツ

なでしこジャパンの救世主・成宮唯「ブラジル戦の2ゴールはすべてがピタッとハマった感じです」

ロナウドよりもリバウド

 13年、ベガルタ仙台レディースに加入した成宮は、同年にスペランツァFC大阪高槻へ移籍。そして今年からはジェフユナイテッド市原・千葉レディースでプレーしている。移籍の経緯について、成宮は次のように説明する。 「自分のスタイルは細かいパスを繋いでいくサッカーだし、小学校のときからずっとそれを続けてきたんですね。それに対してジェフっていうのは、とにかく球際が強いし、1人ひとりが闘う姿勢を剥き出しにしている。今まで敵として対戦した時点ですごいなって感じていたんですけど、改めて中に入ってみると、ボールに対する執着心だったり、常に全力で走り続けているところがハンパじゃなくて。闘志っていう部分では、1部・2部・チャレンジを合わせても間違いなく一番じゃないかな(※女子なでしこリーグは1部10チーム、2部10チーム、チャレンジ12チームで構成されている)。つまり、これまで自分が得意としていなかった球際でガツガツ攻めるスタイル。そういう部分を、ここなら伸ばすことができるんじゃないかなって考えたんです。自分が成長できそうだなって」  上手い選手よりも魅せる選手が好き──。そう成宮はつぶやいた。自身が理想とするサッカーのスタイルについて「ロナウドよりもリバウド! メッシよりもネイマール!」と目を輝かせる。テクニックも大事だけど、自分がサッカーにこれだけ夢中になったのは、たぶんそういうところではない。そういう魅せる選手に自分もなることができたら……。 「サッカー以外の趣味ですか? 火曜日がオフなので、月曜日の夜からチームメイトの実家に遊びにいきますね。それで火曜は早朝から海に行く。それでサーフィンするんです。あっ、サーフィンやるのはチームメイトですよ? 私は泳げないくらいだから、サーフィンなんてとんでもない(笑)。でも、その様子を眺めていたり、足がつくところでチャプチャプしているのが楽しくて。最高ですよ、早朝の海は」  その素顔は、どこにでもいる普通の22歳。「千葉駅のところに、すごく美味しいパスタ屋さんがあるんですけど……」などと語っている様子は、女子大生やOLと変わらない。世代交代が進むなでしこジャパンの救世主になるのは、ひょっとしたら彼女のような存在なのかもしれない。 〈取材・文/小野田衛 企画・撮影/丸山剛史〉 なるみや・ゆい 1995年2月22日、京都府出身。154cm/44kg。ポジション:MF。ニックネームは「ゆい」「おば」。小学校2年でサッカーを始め、13年からベガルタ仙台レディースに。同年のコノミヤスペランツァ大阪高槻を経て、今年からジェフユナイテッド市原・千葉レディースに所属。代表としてもU-16日本女子代表、U-17日本女子代表、U-19日本女子代表候補、U-23日本女子代表候補を経験。14年には、なでしこチャレンジリーグの最優秀選手(MVP)を獲得した。 女子力アピール「部屋は綺麗ですよ。髪の毛1本落ちているも嫌なくらいで、週に1回はソファまでひっくり返して大掃除します。あとは、お弁当も作ります! 栄養バランスも考えるし、なるべく冷凍食品は入れないし。夏場は食材が痛むのが怖いから、お休みしていますけどね」
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