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ウインドサーフィン・新嶋莉奈 17歳「オリンピックを目指すのは“洗脳”に近いのかも(笑)」

「練習以外の時間は、学校の友達とひたすら食べています。ホットケーキとか好きですね。今、パンケーキが流行っているじゃないですか。食べながら、ずっとしゃべっているかな。“彼氏、欲しいね~”とか。女子高だから、会話なんてそればっか! でも、この環境だと全然できないんですよねぇ。タイプですか? もうなんでもいい。……なんでもいいってことはないか(笑)。でも、恋愛とかしたことないから想像がつかないんです」

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新嶋 莉奈(にいじま・りな)選手

~もぎたて女子アスリート最前線 第28回~

 新嶋莉奈、17歳。2020年の東京オリンピック出場を目指すウインドサーフィンの女子選手だ。現在、高校3年生。恋人がほしいと笑いながら話す彼女に「ちょうどよかった。今回は美女アスリートの特集なので、女子力アピールをお願いします」と伝えると、「こう見えて意外に怖がりです。おばけとか無理ですから」と真顔で答えたあと、「ダメだ、こりゃ」と再び笑顔に戻った。

「高校は推薦なんですけど、スポーツ推薦とかじゃなくて普通に勉強して入りました。私、負けず嫌いなんですよね。ウインドサーフィンだけじゃなく、勉強でも人に抜かされるのが嫌なので。やるんだったら、中途半端にしたくはないんです。中3の夏休みにユースオリンピックが終わってからは、海に出るのをスッパリやめて、勉強一本に絞りました。その前は毎朝塾に行って、日中は海に出て、夜は10時までは2回目の塾という生活。しかも世界大会とかの遠征もありましたからね。さすがにあのときはウインドサーフィンをやめたくなったな」

オリンピック出るのが当然?


 現在は19歳以下のユースクラスに出場する新嶋。来年からはシニアクラスに切り替わるため、すでに今年からシニアの大会にも出るようにしている。「やっぱり全然違いますね。全体的に体力あるし」と競技レベルの高さに追いつくのに必死な様子だ。競技としてのウインドサーフィンは4つに種目が分かれているが、新嶋が取り組んでいるのはRSXと呼ばれるコースレース。オリンピックを目指すため、中学入学のタイミングでコースレースに転向したという。オリンピックに出場できるのは、各国男女1名のみ。非常に狭き門であることは間違いない。

「オリンピックを目指すようになったのは、言ってみれば洗脳に近いのかも(笑)。周りの人たちが“オリンピック出るでしょ?”ってさも当然のように言ってくるから、そういうものなのかって思い込んじゃったんですよ。まぁでも、やるからには一番上に行きたいですね。リオに出ていた先輩も東京を目指すし、結構ハードルは高いんですけど。先輩たちは就職して、アスリートとして毎日のように練習ができる。一方の私は学校があるじゃないですか。週6で学校だと、がっつり練習できるのは1日だけ。夏は7時くらいまで海に入れるけど、冬になると日が暮れるのが早いから、学校から帰るとほとんど練習できないのが実情で。来年4月からは大学に進むけど、最初の1年は休学して海外遠征を回ろうかなとも考えているんです」

 新嶋の父は黎明期から活躍しているウインドサーフィンの元プロ選手で、現在はスクール兼ショップの『セブンシーズ』を鎌倉で経営している。そんな環境で育った娘は、当然のように海が友達になっていく。ボディボードでの波乗りデビューは1歳半、最初にウインドサーフィンに乗ったのも4歳のときだという。「最初は、わちゃわちゃ遊んでいただけ。本気で練習していなかった」そうだが、それでも国内のジュニア大会では勝つことができた。ところが中2のとき海外の大会に初めて出ると、あまりのレベルの高さに啞然としてしまう。

「みんな同じ年くらいの選手なのに、乗り方が綺麗なんです。フォームからして全然違っていた。あとはコース取りの正確さですよね。ウインドサーフィンって、マークとマークの間を最短距離を進む必要はないんですよ。まず風があるところを探して、その風を利用して進んでいくスポーツなので。すごく簡単にいうと、海水の黒くなっている場所が風があるところ。池とか見ていても、風が吹くとザワザワって黒くなるものなんです。筋力がない人でも、風の読みが鋭い人はポーンと抜け出していく。頭を使わないと勝てない競技ですね。そこが面白さでもあり、難しいところでもあるんですけど」

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戦略と風が理解できると面白い

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