美しすぎる女子テニスプレーヤー・平久保安純 日本代表を引退してでもやりたい“新しい夢”
―[もぎたて!女子アスリート最前線]―
~もぎたて!女子アスリート最前線 第26回~
ニックネームは「コート上のクールビューティ」。凛とした表情とモデル並みのスレンダーな体躯で、気づいたらそう呼ばれるようになっていた。平久保安純、21歳。現在は早稲田大学に籍を置きつつ、日本代表選手としても活躍するソフトテニス(軟式テニス)のプレーヤーである。
テニスには硬式と軟式が存在するが、軟式は中高生が学校教育の一環として取り組むケースが多い。一方、プロがある硬式は競技人口も桁違いで、トップ選手ともなれば大金を手にすることも夢ではない。なぜ平久保は軟式にこだわるのか? 野球のように、途中で軟式から硬式に移行することは考えなかったのか?
「似たようなものだって考えられがちですけど、実際はまったく別の競技なんですよ。まずボールの硬さが違うから、カットボールのかけ方も変わってきますし。パワーだけじゃ勝てないところが、軟式の魅力だと思います。たしかに外国選手の中には、硬式で勝てないから選手層の薄い軟式に転向するっていうパターンもあるんですけどね。日本、韓国、台湾が強いとされていて、それ以外の国は初心者ばかりというのが実態なので。でも、やっぱり別物ですよ。私もためしに硬式をプレーしてみることがあるけど、全然ダメ(笑)。スピードについていけないです。レシーブがろくに返せないレベルですから」
平久保の母は、地元・和歌山の中学校でソフトテニス部の顧問を務めている。それに加えて祖父は和歌山県ソフトテニス連盟の会長。ソフトテニスのサラブレットとして育った平久保は、当然のようにして自分もラケットを握るようになった。小1のときの話だ。
「地元のジュニアスクールに入ったんですけど、これが結構厳しいところだったんですよ。小2のときかな。試合で負けそうになったので悔しくて泣いたら、『泣くんじゃない!』ってことだったのか、いきなり叩かれたことがあって(苦笑)。毎回、『行きたくない!』って駄々をこねていました。母は『つらくても続けることが大事』とか言って、辞めさせてくれませんでしたけどね。もちろん今となっては、あのとき辞めないでよかったなって母には感謝しています」
転機が訪れたのは小4のときだった。全国大会の「小4以下の部」で、見事に優勝を果たしたのである。うれしかった。試合で勝てるようになると、楽しさがどんどん込み上げてくる。速い球を打ち込むのではなく、相手の隙をついて崩しにかかるのが平久保の必勝パターン。少女はソフトテニスの魅力に完全に憑りつかれるようになった。練習も週5ペースで熱心に通い続ける。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1314505
「そこからはテニス一本という感じです。学校は和歌山信愛という中高一貫のところに入ったんですけど、そこはソフトテニスが強いと同時に結構な進学校でもあったんですよ。中学の段階で、高校の勉強内容を教えていたくらいですから。だから勉強についていくのが大変でした。テニスに関しては、高校のとき、若干スランプみたいになったかもしれないな。私、プレッシャーに弱かったんです。チームを背負って戦うってことが苦手だった。でも、ソフトテニスってシングルスよりもダブルスがメインなんですよね」
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