路上に落ちていたタイヤが原因の「岡山母娘事故死」はどうすれば悲劇を防げたのか?
日本では、高速道路上での死亡事故のうち、なんと15%が、路上の歩行者が被害者(つまり今回のようなケース)となっている。今回の事故のように落下物に衝突してクルマが破損、走行不能になった場合、クルマから降り、しかもガードレールの外から通報していた母娘の行動はまったく正しかったが、あえて言えば落下物への衝突後、相変わらずその物体が路上にある場合、後続車がそこに衝突することを考慮して、落下物より上流側の路外に避難するのがベスト、ではある。
もちろん事故の第一原因は、タイヤを路上に落としたクルマにあるが、どんなに「気を付けろ」と言っても、落下物が絶無になることはない。せめて自分だけはモノを落とさないよう、気を付けることしかできない。
高速道路上でDQNドライバーに執拗ないやがらせ行為を受けた場合、「クルマを路肩に止めてドアロックし、決してクルマから出ず、通報する」という方法を勧めた。しかし警察は、路肩への停車は危険なのでSAやPAまで行って通報を、とアナウンスしている。
もちろんSAやPAまで行ければそれに越したことはないが、そんな悠長なことを言っていられない場合もある。先日の事故はまさにそうで、PAからわずか1km強の地点で、追い越し車線上で無理矢理停車させられてしまっている。
高速道路上での死亡事故の実に2割が、停止車両への衝突で起きており、路肩への停車はリスクを伴うが、それでもDQNドライバーへの対処法としては、目前のリスクをまず避けるため、路肩への停車&通報しかない。
取材・文・写真/清水草一
【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
ところで私は、1
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