座間9遺体事件にみるネットスカウトマンの手口 “病みアカウント”は狙われやすい!?
そして、白石容疑者が今回被害者をどのようにしておびき寄せたかについても、自身の経験をもとに次のような指摘をする。
「一番引っかかるのは“裏アカウント”を持っているような女性。表のアカウントでは当たり障りのないことを言っておきながら、裏アカウントでは過激な発言をしている人たちです。裏アカウントで『悩んでいる』というような書き込みをしている人物の表アカウントを発見、接触できれば、女性にとって私は『誰にも言ったことがない悩みを当ててくれたり、理解できる人』となり、すぐに信頼されます。風俗のスカウトマンなどは、悩みばかりをつぶやいている“病みアカウント”を狙い撃ちしているとも聞きますね。コントロールしやすいですから」
白石容疑者がツイッターを使って接触し殺害した女性たちは、多くが自殺などをほのめかす病みアカウントを開設していた。また、一部のアカウントについては、名前や所属を明らかにした「表アカウント」とも紐付いており、白石容疑者が女性の気を引くために、彼女たちの個人情報を事前にチェックしていた可能性もある。
そもそも、ツイッターで誘い出した女性を風俗店で働かせるなど、女性の扱いには自信があったという白石容疑者。女性たちの「病みアカ」を見つけ出し、彼女たちを誘い出すことなど、彼にとってはさほど難しいことではなかったのかもしれないが……。
「普通は体やカネ目的で誘い出すことはあっても、さすがに殺すという考えにはならない。ネット上には痕跡だって残るし、警察がデータ解析すれば身バレも一発。だとすれば、白石には何か猟奇的な嗜好があったとしか考えられない。じゃないと、こんな短絡的な犯行をするはずがなく、もっと周到にやったでしょうから」(前出の赤木氏)
供述が曖昧になり、調書へのサインを拒否するなど、いまだ犯行の動機について不明な部分が多いというが、全てが詳らかになり、被害者遺族の気持ちが少しでも休まる日が来るのか。「ネットのせいで」「現代の闇」などといった軽々しい言葉では、この事件の裏にある事情について、これっぽっちも説明がつかないのかもしれない。
<取材・文/伊原忠夫>
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