更新日:2017年12月01日 14:10
スポーツ

自分のDNAを受け継いでいる選手には、伸びていってほしい――小橋建太の青春おすそわけ#13<菊田一美vol.3>

――デスマッチには興味ないですか? 菊田:武器職人だけでいいです(笑)。やれって言われたら考えるかもしれませんけど、自分がやりたいのはストロングで一番になることなので。いまはそればっかりですね。 小橋:武器職人? 菊田:デスマッチのアイテムで、よくハンマーを作ってくれとか言われるんですよ。とびをやってたとき、現場で大工の人を手伝ったりしてたので、ちょっとだけそういうノウハウがあるんです。有刺鉄線ボードなんかはだれでも作れるんですけど、選手が考案したアイテムは自分のところに依頼がきます。「こんなアイテム作れますか?」っていうメールが来るんですよ。僕から「こういうの面白いんじゃないですか?」と発信するときもあります。 小橋:どんなアイテムを作るの? 菊田:最近だと、五寸釘ボードは僕一人で作りました。1日がかりで3000個、穴を開けたんですよ。気が遠くなりました(笑)。穴を開けるとき、ちゃんと寸法を測るんですよ。職人の血が騒ぐんです。作るのは楽しいし、作ったアイテムが試合で使われると嬉しい。 小橋:製作費はもらえるの? 菊田:もらえません(笑)。 小橋:「本当は製作費ほしいんだけど、くれない」って書いておいて。 菊田:ホントにいらないんですよ(笑)。先輩からご飯を奢ってもらったりしますけど、見返りはいらないです。自分がよくてやってるので、なにも求めてない。武器を使ってもらったら嬉しいじゃないですか。入場のときにお客さんの反応があったりするので。 小橋:観客のみんなが「おお!」ってなると、それは嬉しいよね。大日本プロレスを陰で支える男だね。けど、プロレスのほうをどんどん頑張ってほしいな。 ――今日は小橋さんと対談して、いかがでしたか? 菊田:本当に貴重な時間でした。得るものがたくさんありましたし、これからどうしたらいいかっていうのが見えてきたなと。 小橋:そんな真っ直ぐな目で見てこないでよ、恥ずかしい(笑)。でも本当に、伸びていってほしいよ。 菊田:大日本は12月に横浜文体で今年最後のビッグマッチがあるので、まずはそこで今日得たことを発揮したいです。絶対、勝ちます。 小橋:その意気だよ。応援してるから、頑張って。 【PROFILE】 ●菊田一美(きくた・かずみ) 大日本プロレス所属。’86年3月1日、青森県平内町生まれ。5歳から空手の道場に通い、高校ではインターハイに出場。13歳の頃、プロレスにハマり、小橋建太の試合を見てプロレスラーになろうと決意。20歳のとき横浜に移住し、とび職に就く。28歳で大日本プロレスに入門。2015年4月30日、上野公園みずどりのステージ大会にて、河上隆一戦でデビュー。得意技は空手の経験を生かしたキックと、フィッシャーマンズスープレックス。手先が器用で「デスマッチアイテム職人」としても知られている。Twitter:@bjw_kzm ●小橋建太(こばし・けんた) (株)Fortune KK代表取締役。’67年3月27日、京都府福知山市生まれ。’87年6月、全日本プロレスに入団。“プロレス四天王”と呼ばれるレスラーの一人。2000年6月、プロレスリング・ノアに移籍。’03年3月、GHCヘビー級王座獲得。13度の防衛に成功し、“絶対王者”と呼ばれる。’06年6月、腎臓がんが発覚するが、2007年12月、奇跡のプロレス復帰を果たす。’13年5月11日、引退。現在はチャリティーや講演会など、幅広い活動を続けている。Twitter:@FortuneKK0327 構成/尾崎ムギ子 撮影/橋本一美 取材協力/SUNDAY
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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■「~BIGJAPAN DEATH VEGAS~2017」
http://www.bjw.co.jp/event_detail.php?id=1514
【開催日】2017年12月17日(日)
【開場時間】14時15分
【開始時間】15時00分
【会場】神奈川・横浜文化体育館

■高山善廣選手応援「TAKAYAMANIA」の募金は小橋建太・FortuneKKでも受け付けております。
500円から募金を受け付けております。皆様からお寄せいただいたお気持ちは小橋建太が責任を持って全額高山選手にお渡しいたします。
https://tsuku2.jp/ec/viewDetail.php?itemCd=06950341210790

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