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LGBT差別をなくすため「ミュージカル」を立ち上げた30人の男たち――女装小説家・仙田学



目標は「2年後の日本武道館」


 まずは2018年1月6~14日に、新宿シアターモリエールにて、全14回、延べ2500人を動員する公演を行う。演目は、古典落語「死神」を脚色したオリジナルミュージカル。歌あり、笑いあり涙ありのエンターティンメントだ。2年後には日本武道館での公演を目指している。

「劇団やメンバーたちの知名度が上がれば、見ている人たちも勇気づけられるはず」と、くりこさんは言う。たとえば、児童養護施設にも、セクシャリティに違和感を抱えている子供たちは数多くいるとされている。

「そんな子供たちは、ものすごく不自由な思いをしていると思います。お風呂やお手洗い1つとっても、したいことができなかったり、やりたいことと真逆なことをして罪悪感に苦しんだり。

 そんなコたちのことも幸せにしてあげたいんですよね。第1回の公演が終わったら、できれば何人かのメンバーと施設をまわって、職員と子供たち向けのジェンダー講座をやりたいと思っています」

 あらゆる少数者への差別や偏見をなくしたいという、強い思いから、くりこさんは女装子歌劇団を旗揚げした。その思いは、抽象的で観念的な理念ではない。

 目の前の困っている人、弱い人を幸せにしたいという、どこまでも具体的な願いなのだ。

筆者(左)とくりこさん。2時間超におよぶインタビューの続きは後編にて

 その強い願いは、いったいどこからくるのだろう? 僕はくりこさんの子ども時代に興味を惹かれた(次回記事は近日公開予定)。

<文/仙田学>

【仙田学】
京都府生まれ。都内在住。2002年、「早稲田文学新人賞」を受賞して作家デビュー。著書に『盗まれた遺書』(河出書房新社)、『ツルツルちゃん』(NMG文庫、オークラ出版)、出演映画に『鬼畜大宴会』(1997年)がある

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※女装子歌劇団の公演の詳細はこちら





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