性依存症になった僕の狂った日々。そして最後に行き着いた救いとは
「日刊SPA!」に女装小説家としてコラムを連載中の仙田学さん。実は過去にアルコール依存症として自助グループに参加していました。前回は依存症の当事者としての闘病の日々を綴りましたが、今回はその後、新たに依存してしまった性について綴ります。
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胸の中にぽっかりと空いた穴を埋めるために、私はアルコールに溺れた。
でもどれほど溺れても、その穴は埋まらない。アルコール以外に埋められるものはないだろうか……。行き着いたのは、性だった。
アルコール問題がひと段落ついた頃に、私は大学院に進学した。途端に勉強が楽しくて仕方なくなり、朝から晩まで浴びるように勉強を続けた。いつの間にか酒などどうでもよくなり、飲まない生活を送っていた。
代わりに頭の中を占めるようになったのは、ある女のコのこと。
その頃住んでいた吉祥寺のファミレスで、毎晩明け方まで勉強をしていたのだが、すぐ近くの席で、同じように深夜から明け方まで過ごしている女のコがいた。色白タヌキ顔でいつもおしゃれな服を着て、学校の課題なのか仕事なのか、スケッチブックなどに絵を描いていることが多かった。
ある日ふと、私は「この子とSEXがしたい」と思った。
数か月ほど煩悶したあげく、私はファミレスのなかで、トイレから戻ってきたその子に話しかけた。声も手も脚も震えていた。その子も震えていた。何の話をしたのかは覚えていないが、朝までずっと話していた。
次の日も同じテーブルで過ごした。彼女はデザイン系の専門学校の学生だった。居酒屋でバイトをしているのだけど、終わる頃には寮の門限を過ぎてしまうから、朝までファミレスで時間を潰しているとのこと。
朝になると、女のコは私の家までついてきて、2人きりになるなりSEXをした。
お付き合いをすることになったが、一緒にどこかへ出かけた記憶がない。ファミレスで会い、部屋でSEXをして別れるだけだった。
いつもと違うファミレスに呼びだされたのは、半年ほど経った頃のこと。何本もタバコを吸い、吸い殻を何本もメロンソーダに突っ込みながら、女のコは切りだした。
「実はね、私…4股してるんだ」
酒、勉強、そして……僕が依存したもの
いつしか2人は結ばれて……
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