恋愛・結婚

路上ナンパ男と交際してしまう女性の胸中…27歳OLの場合

 多くの女性にとって、街でナンパされてついていくなどありえないことではないだろうか。でも、中にはナンパに応じる女性もいる。彼女たちは何を求めているのだろう?
大混雑する大都会の駅を行き交う様々な人々 イメージ

※画像はイメージです(以下同じ)

 1500人の女性と関係を持った、ナンパ師のセル君の話をまとめたのが前回の記事。今回は、ナンパで知り合った男性と深い関係になったという女性に取材したうえで、その話を物語ふうに再現してみることにする。ナンパに応じる女性のリアルを追体験してみよう。

新宿駅の改札口で話しかけられて…

 都内で事務の仕事をしている27歳のカナ。  タカシに声をかけられたのは、仕事帰りに新宿駅の改札口付近を歩いていたときのこと。ファーのついたグレーのコートにミニスカートという恰好のせいもあってか、その日に声をかけてきた男は3人目だった。  小柄で幼い顔立ちのカナは、いまだに居酒屋で年齢確認をされることがある。繁華街を歩けばキャッチやスカウトやナンパによく声をかけられるが、たいていは無視をしていた。  タカシに話しかけられて返事をしてしまったのは、しつこかったから。いくら無視をしても、ひとりで嬉しそうに喋り続けている。改札口の前で通せんぼをされて、切り抜けるために連絡先を教えた。  家に帰って髪を乾かしているときにLINEが届き、暇つぶしに返信してしまったことをきっかけに、カナは1日に何通かのペースでやりとりを交わすようになる。

会う約束に応じてしまった理由

 会う約束に応じてしまったのは1週間後だ。長く付き合っていた彼氏と別れたばかりで、休日を持て余していたところでもあり、気晴らしにでもと承諾したのだ。  マンションから自転車で最寄り駅に向かう途中で、向かい側の歩道を元彼が歩いているのが見えた。横断歩道を渡って声をかけにいこうか、という考えが頭をよぎったが、振り切るようにペダルを漕いだ。  15時に新宿駅で落ち合うと、タカシは新南口方面へと歩きだす。遊歩道の脇にある植え込みの縁に腰かけて、しばらく話した。  タカシは31歳。コールセンターでアルバイトをしている。同じ沿線の少し離れた駅にある会社の寮に住んでいて、休日には映画を観たりマンガ喫茶で過ごしたりするらしい。

小さく流れるボサノバ。客と店員との会話。足音

 好きなマンガの話をするうちに、隣に座ったタカシの肩が何度か当たった。腕や背中をつつかれ、髪を撫でられる。ガムを噛んでいるからか、タカシの息はブルーベリーの匂いがした。違和感はあったものの、温もりと微かな高揚感には抗えなかった。  おすすめのマンガがあるからと連れて行かれたマンガ喫茶の、個室に入るなりタカシは腰に手を回してくる。空いた手で手を握り、マンガの話をしようとするカナの唇に唇を重ねてくる。抵抗を試みるが力が入らない。  そのまま、タカシはカナの口を手で押さえてコトに及んだ。コンクリートや配管の剥きだしになった天井。小さく流れるボサノバ。客と店員との会話。足音。  終わったあと、2人は全裸のまま抱き合って他愛のない話をした。30分ほどそうしているうちに、付き合ってくれるの? とカナは尋ねていた。
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徐々に募るタカシへの違和感
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