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山口組No.2、服役中の高山若頭が激昂「奴らとは絶対に会わない」 分裂抗争の舞台裏

神戸山口組・入江副組長の“思惑”

 高山若頭の激昂ぶりは、山口組関係者からすれば当然のことだったようだ。二次団体幹部のX氏は心情をこう補足する。 「『●●●野郎』という言葉は、本家カシラの口癖ですから、額面通り男として見てないんでしょう。だいたい、2人の魂胆はミエミエ。要は今戻っても、カシラが出てきてひっくり返されることを恐れているわけです。それと、山口組に戻るなら、別々よりもなるべくまとまった形で戻ったほうが、風当たりが弱まる。だから2人は手を組んでいるのでしょう。  特に入江は先代(宅見勝組長)の姐さんに対し、本家カシラが帰れば二代目宅見組の若者を全員、六代目山口組に返すと約束している。でも、だからといってカシラが司の親分に反逆した入江を許すわけないんです。唯一道があるとすれば、司の親分に詫びを入れる時期によるのではないか。つまり、入江は(高山若頭が)服役中に親分に許しを請い、引退するしかない。カシラを納得させるには親分の言葉しかないんです。カシラの性格は近くで見てきた入江が一番よくわかっているはずです」  加えて、織田代表には別の事情もあるという。X氏の語気が荒くなる。 「織田は溝口の記事を通じて『カシラに会って再統合の話をつける』とアピールすることで、時間稼ぎをしているだけ。一般人やマスコミ向けには通じても、現役のヤクザにはその場しのぎの方便にしか聞こえません。  最初の分裂の時からそうでした。高木(康男・六代目山口組若頭補佐)のオジキとの再統合会談の話も、嘘ばっか。向こうの親方に格好のいいことを言ったはいいが、話がめくれ、結局山健組を追われる立場になった。『ウチの井上(邦雄・神戸山口組組長)は山口組に復帰しても、司組長をないがしろになんてしない。度量のある男だ』みたいなことを、当時はどっかのインタビューで言ってたんですよ。今じゃ、その井上を詐欺師呼ばわりしてるじゃないですか。  たしかに山口組は『処分者以外は受け入れる』という姿勢を打ち出しており、絶縁処分を下した神戸山口組の5人以外の罪は問わない考えはあります。破門者は絶縁者と罪の重さが明らかに違うので、生き残る道も残されている。ただし、偽の山口組を名乗っている織田らの現状は、“鬼の高山”と呼ばれるカシラから見れば代紋泥棒でしかありません。再統合に向けての話をしたいなら、まずは今勝手に使っている代紋を返すのが先。順番を履き違えてるのではないか。山菱の代紋を持って六代目親分と故・田岡親分にお返しし、『私を含め全員の身柄をお預けします』と行動するしかない」  大きく食い違う各組織の主張と、そこに潜むそれぞれの思惑。日本最大の暴力団は果たして、どんな再統合で決着するのか。<取材・文/日刊SPA!編集部>
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