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枝豆に見た最強コンビニ「セブンイレブンの凄さ」[コラムニスト木村和久]

木村和久の「オヤ充のススメ」その195 ―  最近、年明けからの飲酒癖が治らず、ほぼ毎晩缶ビール1本程度ですが、晩酌をしています。俗に言う正月太りがひと月経っても続いているのです。そこで連日、腹もちの少ないつまみはないかと近くのセブンイレブンへ足繁く通いました。そこで発見したのが、綺麗な緑色にパッケージされた「枝豆」でした。その三角形のテトラパックに収まっている枝豆を試しに買ってみたら、これが美味しく、量もたっぷりでびっくり。商品名は「枝豆」ですが、「瀬戸内海の塩」ってサブタイトルがついてます。つまり、そのまま食べても、程よい塩加減で手間いらずなのです。
枝豆

撮影/木村

 これはうまいことを考えたな、ほかのコンビニでもやっているかと探したら、予想どおり、そっくりに近い枝豆を出していました。こちらも試しに買ってみるや、う~ん、悪くはないのですが、今ひとつの感想です。まず枝豆の色が鮮やかな緑じゃない(むしろこっちが本物っぽいのですが)ので、くっきりした緑に慣れた自分にはしょぼく見えます。しかも、枝豆の粒が大小混在してあり、均一化していません。もちろん塩味じゃないので、自分で塩を振りかける手間も必要となります。まあ、これが当たり前の商品であって、セブンイレブンの商品が出来すぎなのです。  ちなみに、スーパーでも同じクオリティの枝豆を売っているだろうという意見もあるでしょう。確かに同じ分量で似た値段の商品を売っていますが、賞味期限が短いのです。スーパーはせいぜい翌日までなのに対し、セブンイレブンは3日ぐらい保存できます。つまり、買いだめができるんですね。しかも、セブンイレブンの商品はパッケージが素晴らしい。全面美味しそうな枝豆の写真が描かれ、ぜひ買って下さいというアピールが伝わってきます。  ついでに言うと、同じテトラパック商品に「スプーンで食べる、焼きとうもろこし」(税込み198円)というのがあって、これもほんのり甘く美味しくて驚いています。コーンってサラダなどにちょこんと乗っている場合が多いじゃないですか。あれを腹いっぱい食べてみたいな、と常々思ったりしますよね。その庶民のささやかな夢を叶えてくれたのがこの焼きとうもろこしです。スプーンで食べれども、テトラパックから続々とコーンが現れます。食いきれませんというぐらい出てきました。非常に満足度が高いです。  というわけで、この「枝豆」と「焼きとうもろこし」で、1週間ほどチャオチュール(猫が猿のように舐めまくるおやつ)状態になり、毎晩晩酌をしております。わずか100円台で人を幸せにできるんだから、セブンイレブンは凄いなあ。いったいどこで商品を開発しているんだろうと、2つの商品のパッケージの裏を見るや「フジフーズ」と書いてありました。  セブンイレブンの食料品の類は日本の大手企業が参入し、セブンイレブンのブランドとして商品を納入しています。これは以前も書きました。ですが、今回は聞いたこともない会社が納入しているので、たぶんどこかでおばちゃんが袋詰めをしているんだろうと思って、フジフーズを軽く調べてびっくり仰天。売上高1000億円に迫る大企業で、以前はジャスダックに上場していたのです。ドラマ「太陽に吠えろ」で、松田優作扮するGパン刑事の殉職シーンに例えていうなら「なんじゃこりゃ!」ですかね。  フジフーズの創業は1963年。当時は富士食品として資本金50万円から始まっていますから、最初はごく普通の家族経営の総菜屋さんだったのでしょう。1974年にセブンイレブンと取引を開始します。そのときのセブンイレブンの店舗数はわずか12店。それからセブンイレブンの破竹の大進撃に合わせて工場を増やし、今やセブンイレブンのサラダやサンドウィッチなどの総菜を一手に引き受ける大企業に成長したのです。  ドラマ「陸王」みたいなドラマチックなことは少ないかも知れませんが、小さな街の総菜屋から、売上高900億円超えの企業に成長させるって夢がありますよね。
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セブンイレブンのプライベート商品は強い
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