キャバ嬢相手のトークはセクハラ&パワハラになるのか[コラムニスト木村和久]
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その193 ―
アメリカでは、有名女優が大物プロデューサーからセクハラ被害を受けたと語るのが流行っています。それは泣き寝入りせずに、しっかり人権を守る意味で大事なことです。
日本でも、過去にセクハラやパワハラを受けた女性が被害のカミングアウトをするのですが、だいぶ時間が経ってから言うのが腑に落ちませんね。時間差攻撃がありなら映画「アナと雪の女王」にだって、今さらながら文句をつけたくなります。あの映画って姉妹喧嘩をして姉が山に籠って吹雪を起こし、街を氷漬けにするんでしょ。まさにパワハラじゃないですか。
まあ冗談はこれぐらいにして、本題に移りましょう。
過去に散々エロトークをして来た1000万キャバクラファンの皆様、ご機嫌いかがでしょうか。過去のトークがセクハラで訴えられたらどうしようと眠れない日々が続いてませんか。今回、そこらへんの検証をしてみたいと思います。
基本的にキャバクラのトークで訴えられることはありません。ただ有名人のお店での振る舞いは、暴露されます。個人名は言えませんが「お笑いの巨匠は常連の店で席に付いたコ、全員とディープキスする」とか、「某スポーツ選手は某キャバクラで半ダースぐらい口説いた」とか「某タレントは元キャバ嬢だった」とかそういう話はキリがないです。
でも、実名は出ません。基本的にしょうもないということで、処理されますね。
なんで水商売のコはセクハラで訴えないのか? それは「源氏名」という特殊な呼び名を使っているからです。キャバクラやクラブでは、店での呼び名を使いますよね。それは基本、別人格です。日本では歴史が古く、まさに源氏物語からその伝統が受け継がれています。
源氏物語の登場人物の95%ぐらいは本名ではなく、仮の名前を使って呼び合っていました。だから光源氏は、自由奔放な恋愛を楽しむことができたのです。
その1000年の伝統が今に息づき、源氏名のシステムを使っているのが、水商売です。女のコは、「スミレ」とか「ノゾミ」とか好きな源氏名を使って、自由奔放に振舞う。お客さんも常連となると愛称で呼びます。私は六本木では「キムキム」ですが、仮そめの名前で何をしようと、お互い責任がないということです。
どうです。少しは安心した方もおるでしょう。じゃ具体的にどんなトークが行われていたか? 私が過去に体験した凄いパワハラトークは、こんな感じでした。
知り合いが、全然女のコを全然口説けないで焦っていたら「オレとアフターしないと、東京湾に沈めちゃうからね」というほとんど恐喝みたいな発言をしていました。でも冷静に考えると、店が終わった後に食事に誘い、断られた腹いせに東京湾に沈めるって荒唐無稽過ぎて、むしろ笑ってしまいます。けど、それを言われたキャバ嬢は田舎から出て来た純粋なコだったので、店の従業員に相談しました。それから店の従業員はその客に注意をしましたけど。
そもそもキャバクラの類は座って喋っているだけで、コンビニのレジバイトの3倍以上の時給が貰えるわけで、それだけ大変な仕事なのです。言い方が悪いですが、給料が良い分、おっさんのグチや説教、セクハラトークをある程度、受け止めなければならない。それは仕方の無いことです。
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