更新日:2018年04月26日 21:55
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メンズのチェック柄は色合わせがポイント/フェンディに学ぶ

 フェンディのこのスタイルはその上級編です。これを見ると、使われている色は青、ベージュ、赤です。何が上級かといったら、この青、ベージュ、赤をそれぞれグラデーションさせています。濃い赤と薄い赤、ネイビーから水色、オフホワイトから濃いベージュというように、それぞれ色の明度のグラデーションを作り、それをすべて組み合わせています。  さすがにこれは普通にはできません。ですからここまで真似する必要はありません。とりあえず、自分でこのチェックは赤、白、青だなと認識できたら、全体のコーディネートを赤、白、青にしましょう。その場合、いろいろなブランドのものを組み合わせることになるでしょうから、まったく同じ色でなくても構いません。いろいろなブランドのものを組み合わせれば組み合わせるほど、色はずれてくると思います。  このチェックのものを用いたときには全体のコーディネートをチェックに使われた色内で構成するというルールは、おしゃれな人は知っていて、実践しています。私も先日、バーバリーのマフラーをして、その色内でスニーカーまですべてコーディネートしている男子大学生を見ました。  おしゃれについてよく勉強している人はその工夫に気づきます。これは私たちの暗号です。わかる者同士で分かり合えます。けれども、おしゃれなどに興味はない、一般の人はその工夫に気づかないでしょう。  ただ、気づきはしませんが、何となくおしゃれだなとは感じます。それは何となくで、理論的に説明することはできないけれども、その感じは伝わります。  おしゃれに興味がない一般の人には気づかれなくても、そういう感じを与えることができれば十分です。逆に避けたいのは、過剰な見せびらかしであり、やり過ぎです。 「今すれ違った人、なんかおしゃれな感じがしたね」と、そんなふうに人々が感じるようなおしゃれができる男性が本当は一番おしゃれな人だと、私は思います。  チェックのものを1点買ったら、その色に使われているアイテムを揃えて、コーディネートして街へ出ていきましょう。そのときに、なんか誰も気づかなかったなと、気落ちしないように。暗号を解読する人たちは一定量いますし、解読できないとしても、その印象は人々に残せたに違いありませんから。 小林直子
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に。新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』が発売中
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