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「どっちが攻めているのかすらわからない」初心者でも『QUINTET』を120%楽しむ方法<桜庭和志×中村大介インタビュー>

――そのお言葉を聞けて、プロレスファンとしては胸がいっぱいです……。中村さんは記者会見で「自分の理想とするプロレスリングで盛り上げる」とおっしゃいましたが、“プロレスリング”という言葉の意味合いは? 中村:自分はデビューが総合格闘技だったということもあって、いままで「自分はプロレスラーだ」って胸を張って言えなかったんです。けど、言えるようになりたいなと思って、最近はプロレスリングという言葉を使っています。桜庭さんは「プロレスラーは本当は強いんです」という言葉通り、PRIDEでもプロレスラーとして闘われていたと思うんですよ。 桜庭:僕としてはどっちでもいいですよ。こだわりはないです。初めてやった格闘技がレスリングだったので、自分のスタイルはレスリングのバランスとかそういうのを使っているというだけです。柔道をやっていたら柔道だっただろうし、空手をやっていたら空手だっただろうし。 ――格闘技界の中で、QUINTETをどんな存在にしていきたいですか。 桜庭:アマチュアの競技をやっていても、例えばそこから総合格闘技に入るのって、寝技をやったことないとか、組技の人は打撃をやったことないとかで、引いちゃうんですよ。QUINTETはその中間くらいでいいと思うんです。悪い意味の中間ではなく。 中村:入り口ですかね。 桜庭:そうそう、入り込みやすい感じ。打撃系の人はまずグラップリングをやって、立ち技も寝技も覚えてから総合にいけばいいだろうし。組技の人は関節技を覚えたり、柔術系の人はテイクダウンを覚えて総合にいったらもっと勝てるだろうし。いろんな人が入り込める感じの競技になればいいなと思います。  柔道で言う、金鷲旗(きんしゅうき)みたいな感じですね。金鷲旗っていう高校柔道の大会があるんですけど、それも勝ち抜き戦で、どこかの県のチャンピオンだとか関係ないんです。QUINTETもそういうのでいいと思うんですよ。どこかの県のチャンピオンだけがインターハイに出るんじゃなくて、出たい奴はみんな出ればいい。金鷲旗って、すごい面白いんですよ。この間、阿部一二三選手の妹さんが先鋒で出たんですけど、4人抜いたんですよ。でも今度はその大将が5人抜いて逆転勝ち。 中村:最高の試合ですね。ドラマチック。 桜庭:わかった。高校野球ですね。甲子園みたいにしたいです。ドラマチックでしょ。みんな泣くじゃないですか。僕らも負けたら泣くかもしれないです。目指せ、甲子園! 中村:オー(笑)! ――ありがとうございました! 「関節技のタップとは、相手に自らの意志で敗北を認めさせること。だから殴り合いより面白い」――。QUINTETのキャッチコピーのひとつだ。KOは体の機能がやられて勝手に倒れる。しかし関節技は、自分の意志でギブアップをする。加藤一二三棋士が以前、「将棋は自ら負けを認める唯一のスポーツ」と言っていたが、グラップリングも同じなのだろう。粘り強く闘い、そして自ら負けを認めることに、美しさがある。  4月11日(水)、両国国技館でどんな五重奏(=QUINTET)が奏でられるのか、楽しみでならない。 【PROFILE】 ●桜庭和志(さくらば・かずし) ’69年7月14日、秋田県南秋田郡昭和町生まれ。高校、大学とレスリング部に所属。’92年7月、UWFインターナショナルに入団。その後、PRIDEで強豪外国人に互角以上の闘いを展開。卓越した変則技を繰り出して対戦相手を翻弄することから「IQレスラー」と呼ばれ、グレイシー一族に4度も勝利したことから「グレイシー・ハンター」との異名も。2017年6月、アジア人初のUFC殿堂入りを果たした。Twitter:@KS_SAKU39 ●中村大介(なかむら・だいすけ) ’80年6月10日、東京都足立区生まれ。プロレスラーであり、総合格闘家。元DEEPライト級王者。UWFのスタイルをこよなく愛し、総合格闘技のリングにも黒のショートパンツとレガースで上がることを信条としている。得意技は腕ひしぎ十字固め。2014年6月、足立区に「夕月堂本舗」をオープン。「夕月」という名称は、「U好き」にちなんでいる。※夕月堂本舗HP:https://u-zukidohonpo.jimdo.com/ <取材・文/尾崎ムギ子 撮影/安井信介>
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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■QUINTET.1ーGrappling Team Survival Match-
www.quintet-fight.com
【開催日】4月11日(水)
【開場時間】17:30(予定)
【開始時間】18:30(予定)
【会場】東京・両国国技館
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