より良く生きることを追求していると、やがて疲れ果てるときが来ます。「自分が求めている答えはどこにあるのか」とか「いつまで自分は探し続けるのだろうか」とか、でもその問いかけこそが始まりです。ずっと外に向かっていた意識が、内側に向き始めるからです。 　誰かのやり方を学び続ければ、学び続けるほど、訳がわからなくなってきます。実はそれこそが答えです。結局、「訳がわかる」なんてことはないのです。そんなことがあるならば、人類はとっくにそれを見つけ、全員が納得づくで暮らしているはずです。 　しかし、世の中がそんな金太郎飴のようにならないのは、人生が客観的に決められるものではないからでしょう。 　では、そうしたテクニックやノウハウ、その背景となる他者の人生論を学ぶことが役に立たないかというと、そうではありません。私たちは他者の主観に触れることで、価値観が相対化され、初めて自分がわかるようになります。 　私たちは自分たちで思っているほど、自分を理解していません。それはつまり、他人のこともわかっていない、ということです。自分と他人を同一視することで、私たちはお互いを縛りつけ合ってしまっています。 　秘策を探して求めても、おそらく見つからないでしょう。しかし、その代わりに本当に必要だったもの、本当に欲しかったものが見つかります。何もかもわからなくなったとき、ようやく自分というものがわかり始めるのです。 　すると今度は、色んなことが一気にわかってきます。自分らしさを掴むことで、それまでに学んできた色々なテクニックやノウハウに込められた他者の意図が見えるようになるからです。 　月並みな例えですが、夜明け前が一番暗いのです。あなたの探求は徒労ではありません。どんなに暗くても、いずれ光が差し始めます。貫き通しましょう。 【佐々木】 コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』（扶桑社）が発売中