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ステンカラーコートとストリートのミックス/ゴーシャに学ぶ

 これを読んでいる皆さんの中にはステンカラーコートを持っている方も多くいらっしゃるだろうと思います。けれどもその多くはいわゆる通勤のためのコートではないでしょうか。ステンカラーコートはモッズコートのように、ストリートスタイルに欠かせないコートというわけではありません。どちらかというと、ジャック・タチの映画『ぼくの伯父さん』のユロ伯父さんのコートです。あれはストリートスタイルではありません。あれはフランスのちょっと変わったおじさんスタイルです。  では、ゴーシャ ラブチンスキーはどうなのか。少し大き目のシルエットのポロシャツとチノパンツ、そしてスニーカーではなく革のローファーに端正なバーバリーのステンカラーコートを合わせることによって、ゆるいストリートスタイルをどこに出ていっても恥ずかしくない、きれいなスタイルに早変わりさせています。またここでは、モードを強調するために、コートの下にコートの裏地と同じチェック柄のブルゾン、バケットハットには黒と白のチェックが使われ、バーバリーのチェックであることを強調していますが、普通の人が真似する場合は、そこまでやらなくてもよいでしょう。もしやるのだとしたら、チェックを繰り返せばいいので、コートの裏地と同じ柄のマフラーやストールを使っても構いません。ポロシャツをTシャツにかえてもいいですが、襟があるほうがよりきちんとした感じが出せますので、Tシャツよりはポロシャツ、もしくは普通の襟つきのシャツのほうがいいでしょう。  バーバリーのコートは新品にこだわらず、ヴィンテージや中古を探せば、安価に手に入れることが可能です。またバーバリーではない場合も、同じように裏地にチェックが使われているコートを選べばいいでしょう。色遣いですが、このルックはパンツに黒に近い濃紺が使われているようですが、基本的にはチェックに使われている色の中で全体をまとめればOKです。  通勤のときにしか着ないコートをストリートスタイルと合わせて、かつきれいに見せる。まだこんなスタイルの男性は日本の街ではほとんど見ません。単なるストリートスタイルじゃない。単なるトラッドでもない。それがこのゴーシャ ラブチンスキーの新しさです。  ほんのちょっと工夫して、組み合わせを変えてみることで、モード風の着こなしへ早変わりさせることは可能です。通勤着としてしか利用していなかったステンカラーコート、休日のおしゃれしてお出かけしたいときにも、着てみてはいかがでしょうか。 小林直子
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に。新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』が発売中
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