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キャバ嬢は「売名行為」の達人!? 歌舞伎町・女社長が明かすタブーだらけの夜の世界

「風紀」=店で格をあげるための売名行為

キャバクラ 次に、風紀とは、黒服とキャストが体の関係、または恋愛関係を持ってしまうことを言います。  風紀はどの店でも入店時の契約で全面的に禁止されており、発覚した際は「双方罰金50万円」とされていることが多いです。「厳しいな」と思う人もいるかもしれませんが、風紀もまたどの店でもよく見られます。なぜかというと、キャバ嬢からすれば黒服と付き合うことによって、さまざまなメリットが得られるからです。  たとえば、店長やマネージャー、つけまわし(キャストをお客様の席に配置する役割)の黒服の幹部に気に入られると、時給や待遇面で優遇されたり、カネ払いのいいお客様の席に優先的につけてもらえるなど、結果として指名と売上を増やすことに直結するからです。それを理解しているベテランキャバ嬢のなかには、はじめから風紀を狙って入店してくるコもいるほどです。  そのため、夜の世界ではキャバ嬢(女)が黒服(男)を口説くのをよく目の当たりにします。  売れているキャバ嬢のなかには「私と付き合わないなら店を辞める」「私を大切にしないなら店を辞める」と脅しながら付き合うこともあったりします。店ではお客様が潰れるまで大量にお酒を飲ませたり、自分の給料をあげるように店側に交渉させたりと、彼氏のはずの黒服を奴隷のようにこき使って自分の利益のために利用する人も多くいます。  面白いことに、黒服の幹部の彼女になると(暗黙の了解で)店内でちやほやされるようになります。しかし、それは本当の評価ではなく、むしろ転落への始まりです。黒服は、上司に怒られたくないので彼女を腫れ物に触れるように扱い、同僚のキャバ嬢からは店からひいきされるので嫉妬の対象となります。キャバクラの口コミサイトに悪口をたくさん書かれるようになります。  このように、風紀は、店内で究極の売名行為です。

「枕営業」=キャバ嬢自身を蝕む究極の売名行為

枕営業 枕営業とは、お客様と性的な関係を持って、売上を上げる営業手法のことを言います。  店では全面的に禁止をしていないまでも、あまり積極的に勧めてはいません。枕営業の直後は、色恋営業より即効性があって瞬間的に売上が上がります。しかし、キャバクラに足を運ぶお客様は体より心を求めるので、枕営業をしたキャバ嬢がお金だけが目的で自分に恋愛感情がないことを悟ると、急激に気持ちが冷めてしまい2度と店に来なくなります。  性的な関係がない色恋営業は「お客様に申し訳ない」という罪悪感にさいなまれて終わるのに対して、枕営業は生理的な自己嫌悪感がお客様に対する嫌悪感に変換され、キャバ嬢は次第にお客様に連絡するのが気持ち悪くなります。  しまいには「営業ができなくなる」という、本末転倒な結果に終わることも多いのです。  それでも「お金がほしい」「売上をあげなくては」という願望から枕営業を続けるキャバ嬢のなかには、心がどんどん蝕まれ、お酒におぼれ、男におぼれ、店に出勤できなくなる人もいます。それ以外の問題もあります。枕営業を続けていると、個人的にお金を受け取ったほうが早いと思うようになり、個々の金銭のやりとりがはじまります。それがストーカー被害に発展することもあります。  このトラブルだらけの枕営業は、夜の世界の売名行為の最終兵器といえそうです。売名行為は上昇志向の現れです。悪いとは思いません。

気をつけて! 実力のない売名よりも自己流を

 売名行為を繰り返しているうちに、実力をつけて最終的に、ナンバーワンや、月に8桁の売上を叩き出すキャバ嬢もいます。  そして昼間の仕事に移行して会社を起業したり、上場企業の社長に抜擢されたりする元キャバ嬢たちも多く存在します。でも、実力がないのに売名行為を繰り返したところで輝けるのは一瞬。メッキはすぐにはがれてしまいます。  売名行為より大切なことは、実力をつけることつまり、基本動作をマスターして「あなた流」を確立させることです。
内野彩華ママ

内野彩華

<TEXT/内野彩華>
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中

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