男の“サンダルばき”、だらしなく見えないカジュアル術
【モードをリアルに着る!オム Vol.10/小林直子】
ここ数年の傾向として、ウィメンズ、メンズとも、スタイル全体のカジュアル化ということが言えると思います。ジーンズとスニーカーといったカジュアルなスタイルで、高級なレストランへも、仕事場へも行くことが一般的に容認されるようになりました。
そしてそのカジュアルへの傾きは、夏に向かえば向かうほど大きくなり、ビーチサンダルやハーフパンツなど、本来ならリゾートや気軽なアクティビティの場にふさわしいスタイルで、あらゆるところへお出かけする輩も登場するようになりました。
しかしその一方で、その行き過ぎたカジュアルなスタイルはなだらしなく、場をわきまえていない失礼なスタイルとも受け取られてしまいます。いくらそのカジュアルなスタイルが今の流行で、これがおしゃれなのだと言ってみたところ、その「今の流行」という情報を共有していない人たちには通じません。
だらしなくは思われたくない、けれどもきちんとした服装も暑くて無理、そんなときどうしたらいいかという問題はどうやら日本だけではないようで、アメリカのマイケル・コースコレクションでは、ウィメンズ、メンズ両方とも、その問題に対する一つの提案がなされました。
ではそれはどんなものでしょうか。例えば夏向けのカジュアルなサンダルはどうしたらだらしなく見えないか、マイケル・コースはそれをサンダル、バッグ、ベルトの色を揃えることで解決できるのではないかと考えたようです。
フォーマルなスタイルにおいては、靴、ベルト、バッグの色は揃えるのが通例ですが、カジュアルなスタイルではあえてそれを外してみる、つまり靴とバッグは違う色にするなどということはごく普通に行われることです。逆にそのほうがおしゃれであると思われたりもします。
けれどもあえて今、靴(この場合はサンダル)、ベルト、バッグの色を揃えてくることで、カジュアル過ぎて、一歩間違うとだらしなさへと転落するスタイルを、こぎれいなスタイルへと持っていこうではないかと、マイケル・コースは提案しています。
街でビーチにふさわしいようなカジュアルなサンダルをはいていたとしても、サンダル、ベルト、バッグの色を揃えるというわかりやすい基本のルールを採用することで、ファッションには特に詳しくない、ごく普通の人たちにもわかりやすく、きちんとしていると伝えることができます。しかもそれはとても簡単です。
サンダル、バッグ、ベルトの色を揃える
カジュアルなサンダルでリゾート地ではなく街へ行き、だらしなく見せたくないなら、サンダル、ベルト、バッグの色を合わせるといいでしょう。例えば茶色のサンダルをはくのなら、同じ茶色のベルト、バッグを合わせます。 マイケル・コースコレクションでは、サンダル、ベルト、バッグをすべて皮革にすることによって、よりオフィシャルな雰囲気を出していますが、例えばゴムやプラスチック素材のサンダルをはくにしても、バッグとベルトを皮革にし、色だけでも同じようにするだけでも、過度なだらしなさを防げるでしょう。
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ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に。新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』が発売中
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