そのほか、カジュアルなスタイルがだらしなく見えない方法としては、素材のクオリティを上げる方法があります。素材にも格がありまして、コットンよりも麻が、麻よりもシルクやウールのほうが格が上になります。石油由来の繊維においては、単純に価格が高いもののほうが格上の素材であると考えていいでしょう。天然素材にしろ、石油由来の繊維にしろ、まれに定価が高くても大した素材を使っていないようなものも売っていますが、おおむね価格が高いもののほうが高級素材です。もちろん同じコットンでもシーアイランドコットンが、そしてウールの中でもカシミヤのほうが高級で、格が上の素材になります。 　まずはサンダル、ベルト、バッグの色を揃える、それでも足りないなと思う場合は素材の格を上げていく、つまりいつもの白いTシャツを高級なシーアイランドコットンにしてみるなどすることによって、カジュアル過ぎてだらしなく見えるのを防ぐといいでしょう。 　カジュアルなスタイルでどこへでも行けるのは大きなメリットです。今どきはどこへ行っても許されますし、誰かに何か言われるということもないでしょう。けれども、やはり場合によっては、それで損をすることもあるのではないでしょうか。 　カジュアル過ぎるスタイルでミシュランの星がついたようなレストランへ行って、なんとなく周囲とそぐわなくて委縮してしまったり、悪くすると、セレクトショップへ入って販売員の方にスルーされたり、そんなことも考えられます。そうならないためにも、ほんのちょっと工夫して、カジュアル過ぎるスタイルをきちんとしたスタイルに変身させましょう。 ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる！』は発売即重版に。新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』が発売中