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お盆の「高速道路休日割引前倒し」は画期的。でも渋滞ピークも前倒しになる!?

 その1000円高速は、2011年3月末で終了したが、その後も微妙に名称を変えつつ縮小存続し、現在も大都市近郊区間を除いて、休日は3割引(軽自動車および普通車のみ)とされている。  今回の試行は、約10年間続いた休日割引を、渋滞対策の観点から初めて見直すわけで、ある意味画期的だ。  では、その効果はどの程度のものだろう。

休日割引前倒しの効果は渋滞1~2割減か

 あくまで私見だが、11日(土)および12日(日)の渋滞を、1~2割減らす程度の効果は見込めるのではないか。もちろんそれと引き換えに、割引実施日の渋滞は増加するだろう。特に懸念されるのは、10日(金)深夜の渋滞増加だ。入口通過時、当日の深夜12時前なら、休日割引が適用されるためである。  もともと人は、前倒しと後ろ倒しなら、前倒しを選ぶ習性がある。人より後に出るよりは、早く出て混雑を避けようという心理が強いのだ。よって、10日(金)の深夜から早朝にかけての渋滞ピークが、以前より大きくなる可能性が高い。

高速道路が渋滞しているときはSA/PAも混雑している

 しかしそれでも、わざわざお盆の土日の料金を割引するよりは、はるかに合理的な施策。年末年始やゴールデンウィークにも、ぜひ実施していただきたい。日本の高速道路の渋滞対策は、道路の新設や改良に関しては、間もなく行き止まりに達する。今後の渋滞緩和策は、料金政策に頼らざるを得ないのだ。 取材・文・写真/清水草一
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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