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経済効果ゼロの「首都高速日本橋地下化」景観回復のためにそれでもやるの?

1969年の計画から約半世紀――。高速道路研究家として長年待望してきた外環道千葉区間が開通し、ついに夢が実現したのですが、それよりも個人的な関心は、日本橋上空を覆う首都高の地下化に移っております。過去に何度か地下移設案は取り沙汰されてきましたが、いつの間にか実施が決定したことにビックリ。専門家として一言申し上げたく存じます

首都高速日本橋地下化 MJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichihi

混雑緩和は皆無!日本橋上空を覆う“醜い首都高”地下化の効果はどれだけある?


 6月2日、計画から約半世紀を経て、外環道千葉区間(三郷南―高谷間)15.5kmが開通したが、その効果は絶大だ。

 6月上旬はもともと混雑が比較的少ない時期ではあるが、開通以来、首都高6号線やC2東側区間の渋滞はほとんど消滅。まだデータは出ていないが、その効果は広く首都圏全体に及んでいる。

 実際走ってみると、三郷から市川までわずか15分程度で、文字通りあっという間だった。首都高C2品川線の開通時とまったく同様の、ワープ感覚を味わうことができた。

外観自動車道千葉区間

外環道千葉区間は当初、高架構造の予定だったが、沿道住民による激しい反対運動が起き、1973年に事業凍結。1987年に当初の高架構造から半地下の掘割構造への変更が検討されはじめ、1995年にようやく決定した

 この開通によって、都心経由より移動時間は3~5割減少し、経済効果は今後40年間で1.2兆円。トラック運転手6万人の不足を補い、首都圏の生産性を高めると試算されている。

 かつて激しい建設反対運動が起きた地元も、現在は歓迎一色だ。開通区間は、大部分が半地下の掘割構造のため、高速道路の存在感はほとんどなく、地上には一般道や自転車道、緑地帯も整備され、住環境も明らかに向上した。

 ところでこの外環道千葉区間、建設にいくらかかったのか?

 ざっくり1兆円である。

外観自動車道千葉区間 昨年末に行われた事業の再評価によると、管理費も含めた総事業費1.2兆円に対して、今後40年間の便益(メリット)は、前述の通り1.2兆円。よって費用便益比は1.0。つまりトントンだ。これだけ絶大な効果が喧伝されているのに、実は公共事業として成り立つギリギリだったのだ! 多くの区間が半地下の掘割構造に変更されたため、建設費があまりにも巨額に膨らんでしまった結果である。

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首都高C1日本橋付近の地下化は?

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