一流の稼ぐ男は「お金に旅をさせる」――歌舞伎町10億円女社長の教え
心の中でぷつっと何かが壊れて「もう媚びたり、お願いしたりしたくない。これからは1円たりとも人からお金をもらいたくない」と思ったのを今もハッキリと覚えています。
それからしばらくは貧乏な日々が続きました。お小遣いはアルバイトでなんとかしのぎましたが、学校生活と両立させながらでは限界がありました。
転機は18歳のときでした。
水商売をはじめたら、月に30万円近くの給料が入ってきたのです。私は生まれてはじめて財布を買い、財布の中に自分のお金が入っている喜びを味わいました。
誰に文句を言われることもなく、誰に気兼ねするわけでもなく、自分のお金で好きなものを食べ、飲むことができるのは本当に幸せでした。
お金が貯まったら「大学に行こう」、将来は社長になりたいから「中小企業診断士の資格も取ろう」と、私の夢はどんどん広がって行きました。
あるとき、お客様の、とある自営業の社長が良いことを教えてくれました。
「先輩が後輩に、お金があるやつがお金のないやつにおごるのは当たり前のこと。明日は我が身だし、いつどうなるかなんて誰もわからないんだから、今日おごったやつに明日助けてもらうことになるかもしれない。でもね、決して無理をする必要はないけど、感謝の気持ちをお金で表すことは大事だ」
そう言って、お客様はこんな例え話をしてくれました。
「今日、あやかちゃんとごはんに行ってお金を使っただろ。来週あやかちゃんが俺に同じ金額のごはんをご馳走してくれる必要は全然ないけど、10回くらい俺がご馳走した後、店が終わった後なんかにラーメン一杯でもあやかちゃんが『ご馳走するから行こう』ってラーメン屋に連れてってくれたら、『コイツはやっぱ違うな』と思うよ」
さらにお金の使い方について、私にこんなアドバイスをしてくれました。
「お金を使うと、今のお金はなくなるけど、あやかちゃんの味方がどんどん増えていくんだ。そうすると、あやかちゃんが困ったり、悩んだりしたときに『コイツはかわいいやつだからなんとかしないと!』って、情報くれたり知恵くれたり良いことがある」
その人の口ぐせは「人にお金を使うのはある意味、保険みたいなもの」でした。
水商売を始めたら給料が30万円!
上場企業の社長が語った「お金哲学」
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中
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