更新日:2018年10月02日 13:57
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音ゲーマニアがカジノで荒稼ぎ!? ギャンブル化が進む世界のeスポーツ事情

──素人感覚なんですが、技術介入の余地がありすぎると、ギャンブル感が薄れてしまいませんか? 木曽崇:いや、ゲームのルールそのものは技術介入性があっても、払い出しのルールのところでいろんな制限がかかってるんです。 POKKA吉田:俺は技術介入って聞くとSWP(スキル・ウィズ・プライズ)と理解するようにしてるんだけど、世界最大のSWPってのはパチンコだと思うのよ。 木曽崇:それは間違いない。 POKKA吉田:パチンコ業界と技術介入のせめぎ合いっていうのはすっごいややこしくて、本来、刑法が禁止している賭博の罪の成立要件のひとつに、「偶然の勝負で争う」っていう考え方があって、その偶然性を希釈させるために、技術介入性を入れるっていうのが、遊技機の「技」たる所以なのね。技があるから偶然じゃないでしょ、賭博じゃないでしょって言えるんやけど、技がききすぎるともう、うまいやつがガンガン出す。そうして一部の層が常勝しちゃうと、今度はパチンコ屋の営業が成立しなくなってしまうわけ。 木曽崇:技術介入性のきき幅が少なすぎると、「偶然の勝負じゃないか」という刑法上の問題があり、ききすぎるとビジネス上問題が生じると。 POKKA吉田:例えば、パチンコで保留玉が3個の状態で毎回止め打ちするだけでスタートの回数って上がるのね。保留玉が満タンの状態でヘソに入れてもスタート回らないので、その無駄がすごい減って対金額あたりのスタート回数が増えるんです。こういうことを客の誰もがやった結果として、店の営業も、ある程度の技術を習得した客じゃないと勝てないようなものになっていくのね。 ──ベテランが集う鉄火場のようになって、初心者が入っていくハードルが上がってしまうわけですね。 POKKA吉田:まぁ今はパチンコの場合は過渡期というか、悪い意味での成熟期なんで、技術介入性の単語が出てくるたんびに、ネガティブな話にしかならない。一般的なゲーミングの世界でSWPが増えつつあるっていう木曽さんの指摘はおもしろいんだけど、なんかパチンコと同じことになるんじゃねぇかなって気が、俺はする。でもね、『シークエンス』の先代編集長の三浦健一がね、「絶対AWP(アミューズメント・ウィズ・プライズ=景品付き娯楽)よりSWP(景品付き技術ゲーム)の方が人は夢中になるんだ」って力説してたの。俺もそう思うわなぁ。宝くじよりも、ちょっと技術介入性のあるゲームの方がおもしろいよ。 木曽崇:そこは事実で、もともとカジノゲームはどちらかというとパチンコよりは偶然性を重視するゲームが多いんだけど、いまはスキルゲームを認める方向に動いていってる。やっぱり市場が成熟すればするほど技術介入性を求めるお客様が増えるということだと思いますよ。 【POKKA吉田氏】 ぱちんこジャーナリスト。パチンコ業界紙『シークエンス』の発行人・編集長。近著に『パチンコが本当になくなる日』などがある。メーカーが主催するセミナーで講師も務めている。 Twitter:@POKKAYOSHIDA 【木曽崇】 国際カジノ研究所所長。日本では数少ないカジノ産業の専門研究者。近著は『「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』(’17年、光文社新書) Twitter:@takashikiso <構成/勝SPA!取材班> 勝SPA!
SPA!が運営する日刊SPA!内のギャンブル情報サイト「勝SPA!(かちすぱ)」の取材班。Twitter(@kspa_official
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