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普段から競馬をやらない人でも「有馬記念だけは買う!」という方も多いのではないだろうか。2020年、1年を締めくくる有馬記念は12月27日に中山競馬場で行われる。今回は日刊SPA!で競馬記事を担当する3人の達人たちが、有馬記念のレースのポイント、本命馬、さらには穴馬を解説。三賢人の解説を参考に、ぜひ馬券を的中させて笑って年を越してもらいたい。まずは有馬記念のレース展開、注意すべきポイントを伺った。
気鋭の競馬ライターが「ギア指数」で有馬記念を斬る!
トップバッターは新進気鋭の競馬ライターとして注目を集める安井涼太氏。安井は指数を用いて馬の能力を分析し、レースを予想する理論派だ。そんな安井氏の2020年のベスト予想はジャパンカップ。3冠馬3頭が集まった世紀の一戦を3連複2-5-6の1点予想で仕留めた。「高配当というわけではありませんでしたが、この1点しかないと決め打てたので会心の予想としました」とは、安井氏。いくら3強の頭が抜けていたといっても、1点で仕留める勇気には感服するものがある。
最初に安井氏の提唱する指数について簡単に解説しておこう。安井氏の提唱する指数は競走馬を車のギアのように「1速」「2速」「3速」「4速」「5速」と喩え、今回のレースではどのギアが問われるかを予想、分析していく。そのギアで強い馬はどの馬か?というのを表現しているのが当指数となる。
1速はいわゆる前半から飛ばして勝負所となる直線で加速せずにバテ合いをいかに凌げるか?というレース展開を指し、反対に5速は道中ほとんど動きがなく、勝負所となる直線に入って大きく加速し、どの馬の最高速度が一番速いか?というレース展開を指している。レースで問われる適性、そしてその能力を同時に評価できる指数というのが特徴だ。そんなギア指数に基づいて有馬記念のポイントを聞いた。
安井涼太氏
「有馬記念は中山競馬場の内回りで行われるレース。過去4年のレースラップは道中のタイムを3ハロンに換算した平均値が36.6秒で、上がり3ハロンの平均値が36.4秒と勝負所での加速が小さい傾向にあります。私の予想理論であるギアに当てはめると『3速』というギアの上がらないレースに分類されます。天皇賞(秋)やジャパンカップが行われた東京競馬場などギアの上がるレースで敗れた馬の巻き返しが狙いになるでしょう」
そこで安井氏が導き出した本命馬と穴馬はこちら。
本命馬 クロノジェネシス
「昨年の秋華賞や今年の京都記念、宝塚記念のように道中と上がりの差が小さく、ギアの上がらないレースで強さを見せるのが同馬の特徴です。特に宝塚記念では厳しいペースを4コーナー先頭から1秒差をつける完勝は有馬記念の適性を感じさせます。前走の天皇賞(秋)はレースの上がり3ハロンが33.6秒となるギアの上がるレースでしたが、それでも3着に好走。得意条件に替わる今回は最有力候補でしょう」
穴馬 モズベッロ
「順調さを欠いていることは承知の上として、実力さえ発揮できれば同馬が最大の穴馬となりそうです。本命と評しているクロノジェネシスが勝利した今年の宝塚記念で3着に好走。他にもレースの道中3ハロン換算タイムが36.7秒、レース上がりが36.6秒となった日経賞で2着とギアの上がらないレースで強さを見せています。3速レースへの適性は高く、その実力を発揮できる状態であれば好走があっても驚けません」
本命には人気を集めるクロノジェネシス、そして宝塚記念では12番人気ながら3着と好走したモズペッロを指名した安井氏。モズペッロが絡めば馬券的にも妙味が増すだろう。