更新日:2018年12月07日 21:31
お金

中古を嫌がるのは初心者の証!?「はじめての高級腕時計選び」

いざ、はじめての腕時計購入。何を選ぶ?

 では、実際に初めて腕時計を購入するとなると、モノサシがない状態で何かを選ばなければならないので、おそらく選択するのは、「びっくりするほど高くなく、無難なデザイン」といったものでしょう。  そして、その腕時計を買った後、再び時計雑誌を見てみると、自分の選択があまりイケていなかったことに気づくのです。  でも、そのイケていなかったことに気づくことが大事なのです。なぜならそれは、あなたの中に1つのモノサシができた可能性があるからです。どこがイケていなかったのか? 次に何が欲しいのか? そんなことを考えているうちに、その時計がどんな時計なのか? 輪郭が以前よりはっきりするでしょう。  そして、勇気を出して「初めて買った時計を売る」ということができれば、次に欲しい時計が買いやすくなるのです。  初めて買った腕時計は、なんとなく思い出があるような気がして、なかなか売りづらいかと思います。しかし、その一方で、それが「イケていない選択だった」と認める自分もいます。実は私も、初めて自分で買った時計が「イケてない選択」だったのです。しかも、そのことは自分でも認めていたのに、「初めて買った腕時計」であったため、なんとなく売りづらく、使わないのにもかかわらず長らく売らなかった経験があります。
ロレックスエクスプローラー 214270

初心者へのオススメモデルその3「ロレックスエクスプローラー 214270」

 結局、中途半端なときに売ってしまい、今となっては「イケていない売り方をした」ことを反省しています。ちなみに、その腕時計は新品13万円で買って、9年前に6万円ぐらいで売ったのですが、今では中古価格が13万円ぐらいになっています。  つまり、新品に近い状態でさっさと売れば13万円に近い価格で売れる可能性あったのに、中途半端なタイミングで安く売り、その後その時計の価格が上がったという残念な事例です。売りたいなら早く売ればよかったですし、持ってるなら値上がりするタイミングまで待って売ればよかったのです。

中古高級腕時計の魅力は何か?

 さて、このように自分が腕時計を買ったり売ったりするなどしてより深く関わっていくと、次第に中古がとても魅力的だと気づきます。高級腕時計の初心者は、食わず嫌いのように中古を嫌がります。しかし、時計に詳しくなればなるほど中古の魅力に気づくのです。  例えば、中古の良さは「最も安く手に入る」という価格的な側面だけではありません。生産終了となった過去のモデルは、当然ですが中古でしか手に入りません。腕時計をより深く知ると、実は中古でしか手に入らない名品が多々あるということに気づきます。  そうして中古の魅力を理解できたとき、過去の膨大なアーカイブのなかから、最も素晴らしいと思う名品を手に入れる歓びと、それを使っても、実は高く売ることが可能なのだというということが、きっと血肉化された知識となることでしょう。  みなさんには、そんな中古高級腕時計の魅力に気づくためにも、まずは1つ買ってみてもらいたいです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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