仕事

「お金が欲しい」理由を、真剣に考えたことがあるか?

単にお金が欲しいのか、世のためなのか、人のためなのか?

 メンタルレコーディングは自分の体験について、考えたことや感じたことを記録していきます。すると自分に繰り返し現れる「長期的な思考」に気づくはずです。その内容は人によって様々ですが、たとえば「お金が欲しい」は記録するまでもなく誰もが自覚している長期的な思考の典型です。  しかし「お金が欲しい」という表現は非常に曖昧です。お金を手に入れる方法はたくさんあります。コンビニやネカフェのアルバイト、アフィリエイトやネットショップなどの副業、株やFXなどの投資、モラルがなければ犯罪まで含まれます。このようにニュアンスが曖昧だと、「あれがいいかもしれない、これがいいかもしれない」と色々な可能性を弄ぶだけになりがちです。  私の場合は単に「お金が欲しい」のではなく、「お金を稼ぎたい」のだと自覚できました。これは副業でお金が手に入るだけでは満足できず、自分の仕事が評価され、その対価としてお金が欲しい、というニュアンスを表現しています。この結論に落ち着いてからは、他に目移りしなくなりました。  こうした結論は人それぞれ異なります。「とにかく効率的にお金が稼げればいい」「本業だけだと視野が狭くなるから副業もやろう」という結論も考えられます。人にはそれぞれ自分が納得できるポイントがあり、いずれにせよそのポイントに辿り着かなければうまくいきません。決心できない状態で何かを始めても「本当にこれで良いのかな」と途中で迷挫折してしまいます。  メンタルレコーディングで自分の長期的な思考に気づいたら、しばらくそれに付き合ってみてください。何回も繰り返し意識しているうちに表現が磨かれ、表現できた分だけ自分の個性や感性が明確になります。それによって「自分にとってAとはBのことだ」と定義できたものが信念です。 「世のため人のため」という言葉があります。松下幸之助や稲盛和夫など多くの実業家が言及しており、志をもって働いていれば必ずこのフレーズに行き当たります。しかし「世のため」と「人のため」は異なります。「世のため」は一対多で、「人のため」は一対一です。世のためを思うなら広めることを、人のためを思うなら深めることを、自分の仕事についてそれぞれ考えなければなりません。 「使えるかどうか」と「使うかどうか」 「お金が欲しい」と「お金が稼ぎたい」 「世のため」と「人のため」  自分の思考を細分化すればするほど、そこに新たな発想が生まれます。逆に精査せずにいたら、その曖昧さに振り回されてしまいます。私たちが「思考」と呼んでいる普段頭に浮かんでいる内容は、情報に対する反応に過ぎません。  もし物事が捗らずに悩んでいるならば、メンタルレコーディングによって自分の思考を振り返ってみましょう。水際だった思考と行動ができるようになります。必要なのは特別な方法ではなく、自分と地道に向き合うことです。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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